なるがままにされよう

アラフォーおっさんの気ままなブログ

今週のお題 高校野球

 

毎年やってくる夏の風物詩『高校野球

僕は野球が好きという訳でもないのですが、この高校野球だけは好きです。特に夏の甲子園春の甲子園もありますが、夏の方が何か感じる物が多いです。

 

春の甲子園・・選抜高等学校野球大会

夏の甲子園・・全国高等学校野球選手権大会

と言うそうですが、

この字面だけ見るとなんとなく春はエリートだけ。しかし夏はいっぱい集結してぶつかり合う感が見えなくないですか?ちょっと強引ですが。

そしてこの『夏』という、エネルギッシュで儚く短い季節もそうさせます。

気付けばお盆も過ぎ、寂しげな風も吹き始めたなぁと感じる今日この頃です。

 

7月に入った頃はまさにエネルギッシュ全開!ギラギラの太陽が照り付け、スイカに花火、プールに祭りに海水浴!夏真っ盛り!だったのが、お盆を越えた途端、静かに収束していき、そして気付けばあっという間の夏だった・・と。

 

高校野球も同じで、集結した球児たちのドラマが始まります。初戦は特に熱く感じます。たくさんの出場校に応援団、観客、そして感情むき出しにした多くの選手たちのプレー。

強豪を倒しまさかの伏兵出現、甲子園の魔物ともいえる9回2アウトからの逆転劇、満面の笑みで喜ぶ選手、敗れて泣きじゃくる選手、必死に甲子園の砂をかき集める選手。

 

どのシーンを見ても表情が、魂がみなぎっている。仲間との最後の選手生活を謳歌せんとばかりに。これが終わればやって来る、まるで儚くも短い夏のように感じるのです。

 

僕の場合はプレーもさる事ながら、彼らのむき出しの感情を見ることが何より面白いですし、心を打たれます。この視点はテレビ中継でないと分からないと思いますが、実際の球場の雰囲気など肌で感じる視点もまた、違う迫力や面白さがあるのだと思います。

彼らの幼くも凛々しい表情は本当に引き込まれます。

 

高校球児と少年兵

ふと思うことがあるのですが、この高校球児たちと、過去の戦争で散った若い命が同じように見えてくるのです。戦争末期には若い17、18歳の少年までもが戦地に駆り出されました。彼らは国を守るために、家族を守るためにと言って出撃していきました。

当時の彼らに会ったことも無いので本当の気持ちなど分かる訳がないのですが、なんというか、ひたむきさが似ている気がするのです。

当時の教育がそうさせたのか、彼らの遺書などを読むととても17歳、18歳とは思えない反面、健気で一途な普通の少年だったんだと垣間見ることも出来ます。

 

高校球児とそんな時代の彼らとシンクロして見えるのは僕だけでしょうか。

この現代にはそぐわない、軍隊然とした規律や礼儀作法もそうさせるのかもしれません。

 

しかし僕はそれこそが高校球児であると思っています。真面目で、ひたむきで、不器用で、丸坊主頭で、礼儀正しくて、仲間思いで、感謝を忘れなくて・・と、こんなイメージを抱いているのですが、まさに戦時の彼らと同じなのです。

高校球児と少年兵を同じにするな!と言われそうですが、戦争で若くして散った彼らの遺書など読んでみると、本当に似ていると感じられます。

しかしこれは人によって感じ方、とらえ方、そして過去の戦争についての知識によっても変わるものであり、一概にそうですとは言い切れません。

 

奇しくも終戦日の8月15日を跨いでの高校野球夏の甲子園

幼い笑顔は当時の彼らも、現代の彼らも変わらない。甲子園の儚い夏と、儚く散った若い命。忘れないで欲しいと何か心に訴えられるものが、夏の高校野球にはあるのです。

1997年8月 四国一周ツーリング記 まとめ

なるがです。

 

今回は四国一周の軌跡を簡単にまとめてみました。

8月26日

大阪~須磨港

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須磨港~大磯港 45分

淡路フェリーボート 1998年4月航路廃止

 

まさかこのツーリングの7ヶ月後に廃止になるとは全く知りませんでした。利用出来たのはある意味幸運だったと思います。

 

徳島 室戸岬~室戸スカイライン

高知市24時間サウナ泊

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大磯港から淡路島に入り、大鳴門橋を通って四国入国。55号線は本当に気持ち良い道です。

高知で泊まった24時間サウナをグーグルマップで調べてみたのですが、見つかりませんでした。さすがに20年も経てば変わってるよな〜。

 

2日目

桂浜 足摺岬~足摺サニーロード

道の駅すくも

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野宿した道の駅宿毛は思い出の地になりました。

実は2005年に嫁さんとタンデムで二度目の四国一周をしてるんですが、どうしてもそこに行きたくて、半ば強引にルートに組み込んで寄って来ました。

嫁さんからすれば全くどうでもいい場所なので、滞在時間15分程しか取らしてくれませんでした…。

 

3日目

378号線~佐田岬今治市

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佐田岬は最果て感が凄かったです。岬もそうですが、そこへの道のりの方が雰囲気ありました。確実に弱気になりますw

二度目に行った時は道路も多少整備されており明るくなっていました。

この日は公園で野宿。野宿は楽しいですね。人に言ったらたいがい引かれます。

 

4日目

観音寺市 銭形砂絵~五色台

徳島港~大阪南港

徳島阪神フェリー 所要時間3時間40分 1998年4月航路廃止

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この徳島阪神フェリーも7ヶ月後に廃業してます。明石大橋開通の影響がいろんな所に表れた時期でした。これも最期に乗れたのは幸運としか言いようがないです。

高速道路もいいけど、船で渡るという行為は結構いいモンです。時代には逆らえないのが淋しいですねぇ…。

 

四国一周はしたものの、内陸部を全く見てない旅でした。

なので嫁さんと行った時は四国カルスト、沈下橋はりまや橋大歩危峡などもまわって来ました。讃岐うどんも鰹も一応食べましたw

 

気が向いたらこの時のツーリング日記も書いとこうかな〜と思案中ですw

 

しかしバイク乗りたいなぁ〜解禁までまだまだ先かぁ…。四国は本当にいい所です。バイク乗りは絶対行くべし!です。

でもくれぐれも運転には気をつけてくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

1997年8月 四国一周ツーリング記 第11話 最終回

なるがです。

 

 

四国一周の旅もついに大団円を迎えます。

当時のツーリング日記はこれ以降だいぶ適当に書いており、かなり省略されてました。やる気の無さが伺えます。(最後まで書ききれよ)

なので、虚ろな記憶を辿りながら書いてます。さすがに20年前の記憶はそれそうとはよみがえって来てくれません。何せ写真を撮る事すらやめているという体たらく。

ツーリングの最後を締める大事な情報がほとんど無いというw

無事に帰れたのでいいのですが。

 

ツーリングに限らず、本当の旅のゴールは自宅に帰り着くまでです。実はこれこそが最も重要な事であり、気を抜いて事故を起こしてしまう可能性も十分に考えられます。

極論は、生きて帰る事。これに尽きます。

 

それでは、第11話最終回です~。

 

四国をあとに

四国一周を成し遂げ、達成感でいっぱいになりながら最後の目的地、徳島港を目指す。思えばあっという間の4日間だった。

徳島港に到着し、さっそくチケット購入。出港まで2時間近くある。近くをブラブラしたり海を眺めたりして時間をつぶす。

 

そしてやっと乗船時刻がやってきた。15:30。大きなフェリーは初体験だ。

バイクを船に乗り入れる時は異様に興奮した。あのデカい鉄のカタマリの中へ運転しながら入っていく事、ゴトンゴトンという大きな音は、不安と緊張とワクワク感がすごかった。

 

出港してしばらくは、島が見えなくなるまでずっと眺めていた。なつかしい感じと寂しさ、そして安堵感があった。さようなら、四国。

 

サーファーの大学生と意気投合

船内はいろんな人達でごった返しており、自分の居場所をなかなか見つけられないでいた。それに加え、日焼けパンダのドス黒キタナイ俺は結構目立つらしく、いろんな人からジロジロ見られた。もう居場所は必然的にデッキ上となる。

 

南港までは約3時間40分の船旅だ。船内に降り、飲み物を購入しに行ったとき、同じ列に並んだサーファーの大学生と意気投合する。

名前は聞かなかったが、すごく話が盛り上がり、到着するまでずっと話し込んでいた。おかげで退屈しない船旅になった。ここでも出会いがあった事に感謝。

 

帰着

そして19:00、南港着。ここからが気の入れどころだ。絶対生きて帰るんだという、よくわからないモチベーションで出発。

 

 

そしてついに自宅へ無事到着!疲れた~!ほんとにドッと疲れが襲ってくる。

 

名残惜しみながらバイクから荷を下ろし、ひとつひとつ片づけをしていくうちに、いつもの日常へと戻っていく。そしてようやく一息つくと、今までの事がまるで夢だったかの様に思えてくる。

 

すでに今は風呂にも入り、テレビを見ながらポテチを食べ、クーラーの効いた部屋でくつろいでいる。昨日の今頃はまだ走ってたというのに。

本当に旅をして来たのかと思うほどに信じ難いこのギャップ。

 

でも、確かに俺は旅をしてきたんだ。

 

終わりに

四国一周の旅は本当に素晴らしかった。無事帰ることも出来た。

文句も言わず一緒に走ってくれた相棒。お前は本当によく頑張ってくれた。ありがとう。今日はゆっくり休んでくれ。今度きれいに洗ってやるからな。

長く一緒に走ると本当に生き物のように思えてくる。この感覚はバイク乗りしか分からないのかもしれない。

そして、行く先々で出会った人達。彼らはみんな優しかった。人とのふれあいはこんなにも素晴らしいものなんだ。このような体験は一生に数える程しか出来ないんではないだろうか。

さらにそれを補って余りある四国の大自然。本当に自然は美しい。そして、普段知ることのない自分の心との対話。

言葉では言い表す事など出来ない素晴らしすぎる四日間。いつまでも、いつまでも忘れない。

 

 

四国一周 総走行距離 約1321km

 

 

 

 

 

1997年8月 四国一周ツーリング記 第10話

なるがです。

 

今治でのチャリダーとの出会いのおかげで、当初の友人に会うという目的はすっかり忘れており、その後は思い出しもしませんでしたw

旅も終盤に差し掛かり、得も言われぬプレッシャー、サザエさん症候群にも似た焦りを感じるようになります。ツーリングの終盤はいつもこんな感じだったような気がします。ぼちぼちと仕事の事が頭に浮かぶようになり、現実に戻る準備に入ったかと淋しい気分にもなります。

 

それでは。第10話です~。

 

一晩だけの思わぬ連れ 続き

23:00をまわり、あっという間の楽しい時間は過ぎた。チャリダーとでもこんなに分かり合えるんだと、とても嬉しかった。

寝ようとするが、なんとゴキブリが出現!街中だとこんな所にも出るのか。

さすがにシュラフのみで寝るのは抵抗がある。そこでやっとテントの登場だ。使わずに終わりそうだと思ったが、まさかこんなところで使う事になろうとは。

 

I君に手伝ってもらいテントを組み立てる。あとは寝るだけ。I君はテントを持っておらず一緒に寝ることに。二人用テントとは言え実際寝てみると異常に狭い。しかしゴキブリの脅威から逃れるには致し方ない。でも修学旅行のようで楽しくもあった。少し話をしながら眠りについた。

今日の出会いと、無事でいられた事、ここまで頑張ってくれた相棒に感謝して。

 

 

本日の走行距離 約370km

 

8月29日 四国一周ツーリング 4日目 最終日

少し涼しくなってきて目を覚ますと、テントの中が明るくなっている。朝だ。

時刻は5:30。外に出てみるとすごく気持ちいい。うーんと体を伸ばしてみる。今日もいい天気だ。朝陽と共に起きるのは何て気持ちいいんだろうとつくづく思う。この3日間は自然と共に生活している気がする。

4日目の朝、今日はとうとう最終日だ。無事帰れることを祈って今日もまた走ろう。テントをたたみ、顔を洗って一服する。公園なので所々にジョギングしてる人たちが見受けられる。この場所にもすでに人が上がって来ており、怪訝そうな顔でこちらを見ていく。

7:00、そそくさとその場所を立ち去る。

 

一生の思い出

I君はこのすぐ近くの泰山寺へ寄ることになっている。彼とも別れの時が来た。だけど淋しくはない。頑張れよ、と励まし励まされ、お互いの道へと走り出す。

一人になるとまた気分が新しく生まれ変わる。朝の冷たい空気の中を走り、いつしか彼の事は消えてゆく。けれども心の中には一生消える事のない彼がいる。

くどいが、本当に人との触れ合いとはいいものだ。旅に出る人たちもこの様な体験をしてきているんだろうか。これだから旅はやめられないのかも。

 

銭形平次の砂絵

今治市を抜け196号線から11号線、讃岐街道を走る。

8:00頃にはすでに渋滞気味でノロノロ運転を余儀なくされる。ちょっとしんどい。今日は観音寺市の『寛永通宝銭形』の銭形砂絵を見に行く事に。

ほどなくして到着。

展望台から眺めると、銭形平次で見たやつが目の前に。

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なんでも、この銭形を見た者は健康、長寿、お金に不自由することがないと言われてると聞き、拝んできた。南無。

 

心ここにあらず

この頃から少し気持ちが萎え始めているのが自分でも分かる。それでも最終日だからと心を奮い立たせ、次の目的地の五色台へと向かう。

しまいには海岸線沿いを走る気力も失せて、交通量の多い国道11号線を高松へ向けて走る。大きな幹線道路だと楽で考えなくていいから。

心にぽっかりと穴が開いたというか、完全に腑抜け状態で五色台に到着。

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五色台スカイラインに乗ってみるが、全然楽しくない。

なんなんだこの虚しさは。

バイクを止めて景色を眺めるも、全然感動しない。

タバコをふかしながら思うのは、これまでの素晴らしすぎる出来事だった。心ここにあらず、とはよく言ったものだ。

淋しくはないなどと言っていたが、これほどまでにやられるとは意外だった。

 

ここで俺の気持ちは途切れてしまった。もう帰ろう。

 

帰りは行きと同じく大鳴門橋を通り、淡路島~自宅の予定だったが、なんか走るのが疲れたのでフェリーで帰ることにした。

調べてみると、徳島港から大阪南港行きのフェリーがある。これに乗ることに決定。そうしたら少し気持ちが楽になった。ここへ向けての四国ラストランになるからだろう。再び11号線に乗り徳島港を目指す。

 

四国一周

香川から徳島に入り、海岸線を快走。そうしてしばらく走っていると、見覚えのある景色が。

3日前、大鳴門橋を渡ってきて、四国一周への第一歩を始めた道路だった。

 

ここも覚えている、これも覚えている。少し走ると吉野川に差し掛かった。橋を渡りながら、あぁ、この河川敷、炎天下の中あそこで寝てたよな~。今までのなつかしい思い出が途端によみがえってきた。

 

同時にこの瞬間、俺はついに四国を一周したんだと実感した。

 

対向車線から、荷物を満載にしたライダーがこっちに向かって大きく手を振ってきた。まるで一周おめでとうと言ってくれてるようなサインだった。俺も大きく手を振ってそれに応えた。

 

四国一周!俺はやったぞ~!!

達成感が半端じゃなかった。本当のゴールはここではないが、とにかく俺は、嬉しくて嬉しくて仕方なかった。

 

 

1997年8月 四国一周ツーリング記 第9話

なるがです。

 

 

佐田岬をクリアして、この旅の予定は終わってしまいました。しかも次の予定は立てていません。ただ出来るだけ海岸線に沿って走る事で、一周を達成したいという漠然とした目的はありました。

しかし、やはり明確な目的というものが無ければ人間はモチベーションが続かない生き物なんだと思います。今から向かう方面に友達がいるので、そこへ向かって走る事にしました。

だけど、当時は携帯電話など持っていませんでしたし、突発で思いついたので連絡先すら知らない状態で向かいました。向こうへ行けばもしかしたら会えるかも、ぐらいの感覚でした。(会えるわけねーだろ)偶然を期待するにも程があるw

 とにかく目的が出来た(無理やり)ので、今治市方面へと走らせます。

道後温泉をスルーしたのは今でも後悔していますw

 

 

それでは、第9話です。

 

 

国道197号線~378号線 峠磯崎林道

佐田岬を後にしてからはひたすら走っている。市街地も徐々に少なくなり、淋しい山道へと入っていく。陽はどんどん落ちて来ており、気温も下がり始めた。

378号線に通じるショートカットできる林道があり、少し不安だがその道を通ることにした。

 

太陽がもう海へ沈もうとしている。時間の経つのが早い。今夜は一体どこに泊まることになるのだろうか。だけど不安は無かった。この2日間で何とかなるというのが分かったから。

焦っても仕方ない。あまりの景色の美しさにバイクを止めて一服することにした。

辺りはシーンとして凄く静かだ。心が落ち着く。誰も居ないこんなところでタバコをふかし佇んでいると、まるで自然に包み込まれてしまいそうな感覚になる。自然は本当に素晴らしい。10分ほどで出発したが、いい休み方をした。

 

林道が終わり分岐に差し掛かった。松山市方面へと走らせる。左手に海が見えてきた。この頃から少し眠気が襲ってきて、振り払うのに必死だった。バイクでも走りながら寝れるのだ。単調な道と景色が長く続くと気が緩むので注意が必要だ。

 

特に変わったこともなく、ただひたすら走るだけ。時刻もすでに18:00をまわっている。テントを張りたいので、できるだけ陽のあるうちに今日のねぐらを決めたかった。海岸でいい場所を探すが、いや、もう少しいい場所があるはずだ、となかなか決められずにいた。

頼みの道の駅も人でいっぱいだ。お邪魔する気にはなれない。そうしているうちにだんだん陽も暮れ始め、気が付けば松山市内まで来てしまっていた。

やはり大きな街だけに交通量がものすごく、車と人がやたら多い。ここでもやはり居心地が悪く、早く抜け出したい気持ちだった。道後温泉のことなど全く頭になく、ただ街から出る事だけを考えた。

そして時刻は19:00をまわり、完全に陽は落ちた。

 

 今日のねぐらは

56号線から196号線に乗り、ようやく車の量も少なく走りやすくなった。しかし晩飯もまだ、今日のねぐらもまだ。一体どうなることやら。まるで他人事のように思いながらもまだ走り続けた。

20:00もまわり、そろそろ本気でやばいと思い始める。無理は禁物だ。

 

とりあえず行動を起こさねば。国道沿いのローソンに入り晩飯とビールを調達する。店員のお姉さんにキャンプ場はあるかと尋ねると、なんとすぐそこにあると言う。野間馬ハイランドというらしい。

この出来過ぎた流れ、やっぱり何とかなるわ~と安心してローソンを出る。

 

ところが、しばらく走ってもそれらしき標識は出てこない。いやまてよ、そういやそんな看板があったような・・・。やはりどうも通り過ぎているようだ。引き返すか迷ったが、面倒くさいのでそのまま走る。

さて、どうしようかと考えながらしばらく走ると、「市民の森公園」というのを発見。なかなか素敵な響きだ。感覚で今日のねぐらに決定。

 

一晩だけの思わぬ連れ

入っていくと売店があり、今まさに戸締まりをして帰ろうとしているおばちゃんがいた。

「今日ここで泊まりたいんですが、大丈夫ですか?」と聞いてみると、

「ついさっき自転車に乗った子が一人来て、上の方にいるから一緒に泊まってあげて」と言う。そう言うと、おばちゃんはおもむろに軽トラに乗り込み、

「案内するからついて来て」と、完全におばちゃんのペースに飲み込まれる。一瞬の出来事だった。

小高い丘の頂上には屋根付きの見晴らし台のようなものがあり、そこにはすでに一人ぽつんと佇んでいた。おばちゃんは「じゃあね」と一言残しすぐ帰っていった。

 

初対面の二人だけが取り残され、まるでお見合いのような少々気まずい出会いの中、とりあえず明るく「こんばんは~」と声をかける。何せ相手はチャリダーだ。一晩とは言え、バイク乗りの俺と共存できるのか?

彼は東京から来ているA.I君19歳。自転車で八十八ヶ所めぐり、お遍路さんをしているチャリダーだ。現在で7日目だという。

 

ランタンに灯を点け、ストーヴでさっき買ったソーセージとキャベツを炒める。そしてビールの栓をプシュとやって、ようやく一息つける。今日もお疲れさん、と自分に、そしてそばで佇んでいる愛車steedに。話しかけると本当にヤツは疲れてるなーと思えてくるから不思議だ。文句も言わずに良くやってくれている。お疲れさん。

 

周りには誰も居なくて俺ら二人だけだった。飯の匂いにつられてまたしても猫が寄ってきた。遠くからこっちを眺めている。ご飯をあげると喜んで食べていたが、それ以上は近付いてこなかった。

ビールを飲みながらランタンの灯を囲んで話は盛り上がった。最初の不安はどこへやら、同じ旅人同士ならツールは関係ない。

 

よく考えてみるとこの三日間、一人で寝る事は無かった。こんな事ってあり得るのか?そう思うと、神様がめぐり合わせてくれてるんだと思わずにいられなかった。

人との出会いは本当にいい。この旅をして正解だと心から思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1997年8月 四国一周ツーリング記 第8話

なるがです。

 

この旅で僕はグルメに全く興味を示していません。

香川のうどん、高知のカツオ・・おいしいものがいっぱいなはずなのに、ツーリングの最中に食べたものと言えば、ほか弁、おにぎり、カップ麺、缶コーヒーにカロリーメイト、ポテチ・・・ひどすぎるw

しかし、もしグルメも目的に入っていたとしたら確実に・・・味気ない旅になっていただろうなと思うのです。スケジューリングはとても大切です。でも僕が当時立てたスケジュールは、〈室戸岬足摺岬佐田岬~帰る〉だけでした。当然宿泊地など決めていません。行き当たりばったりw

4日間という制約はあれども、妙な脅迫観念も無く、時間制限も無く、ひたすら自由な旅だった事が逆に良かったんだと思います。

 

それでは第8話です。

 

 

四国最西端 佐田岬

30分ほど休憩したし、そろそろ出発しますか。第3チェックポイントの佐田岬へと向かう。どんなところなんだろう、心が弾む。

長いワインディングロードも終わり、八幡浜市へと入る。大きな市街地でかなり渋滞している。さっきまでの安らぎはどこへやら、騒音とむせかえるような熱気が疲れる。早くここから抜け出したくて仕方なかった。

そんな時に限って道を間違えたりする。しっかり地図で確認していれば良いものを、焦って動くから失敗する。貴重な時間を無駄にしてしまった。まぁいい。

地図で確認、今度こそ正規ルートに乗った。

しばらくして【佐田岬】の標識を見つけ心が躍った。あとは岬を目指してまっすぐだ。197号線佐田岬メロディーラインに乗った。しっかりとした道で、山間を走っている。下を見るとすぐそこに海を臨める。車も少なく、天気も良く最高の気分で快走。

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ピース サイン

 
 

長い直線道路の先、アスファルトの陽炎の中から1つのライトが浮かび、こっちへ走ってくる。よく見るとアメリカンだ。荷物も大量に積んでいる。

すれ違いざまお互い右手の親指を立て腕を伸ばし、タッチするような格好でサインを交わしすれ違う。その直線道路にはこの2台しかいなくて、震えるほどシビれた瞬間だった。またそいつが超満面の笑みだったのが忘れられない。

 

「道の駅 瀬戸町農業公園」で休憩。道の駅はほんとにありがたい。この旅でもたくさん世話になり大好きになった。

しかし暑い。この3日で顔は真っ黒、汗はダラダラ、トイレで顔を見ると汚すぎて笑える。しかも日焼けパンダ顔だ。もうどうでもよくなった。汚れもせず、汗もかかず、クーラーの効いた旅などハナからする気など無い。これがいいのだ。ここまで一緒に頑張ってくれた相棒に一声掛け出発する。

 

最果ての地へ

ガソリンが不安になってきたので、念のため満タンにする。おっちゃんと少し会話。

時々すれ違うライダーとピースを交わしながら走っているが、思ったより全然少ない。もっといっぱいバイクが走っていると思っていたので拍子抜けした感じだ。まぁ俺一人でも全然良いんだが。

バイクを止めてエンジンを切ると、すごく静かなのに気付く。耳鳴りがするくらいの静けさ。俺の求めている、この何とも言えない気分の静けさだ。そこでちょっと一服、これだ。時間も無いので先を急ぐ。

 

ようやく三崎町へ入った。ここまで来ると本当に誰も居なくて、とても淋しい雰囲気が漂っている。細い山あいの中の道を一人で走っていると、昼間でも少し心細くなる。すぐ横に見える海が果てしなく続いて、まるで地の果てへ行くかのようだ。〈灯台〉という道しるべに従い着実に進む。

そしてついに、四国最西端 佐田岬に到着だ。

 

灯台へ 林の中を歩く

何台か車が止まっていた。俺だけかと思っていたらやっぱりいるんだ。バイクから降りて灯台へと向かう。が、その灯台へは林の中を歩いて20分ほどかかる。うーん・・・悩むがここまで来たなら行かなければ損だ。行くことに決定。

結構長い道のりだ。たまにすれ違う人と挨拶を交わし、ひたすら黙々と歩く。

今俺はすごい旅をしていると感じて何か嬉しくなり、こんな淋しいところで独りでいる事に少しセンチな気分にもなった。

しかしとにかく暑い。汗だくになりながらもようやく到着。着いた~!けど誰も居ない。

誰かに写真を撮ってもらいたいが、なかなか来ない。階段に座りタバコを吸いながら待つ事約20分、やっと一人来た。待ってましたとばかりにカメラを差し出し撮ってもらう。

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 あまりにも淋しい場所だった。長居はしたくないと思いながらも、少し名残惜しい気持ちもあった。しかし行った価値は十分にある。

帰りの道のりは早く感じた。入り口で女の子二人が写真を撮っていたので、撮ってあげようと声をかけたら断られた。ショック。何も悪い事してないのに・・顔が汚すぎたから?あ・・きっと超臭かったんだろう。風呂に入ってないからなw

でも断るなんて失礼だよな~まぁいいとして。

佐田岬ともお別れだ。少し先に九州が臨める。

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再び来た道を戻る。また「道の駅 瀬戸町農業公園」に寄り、コーヒーを買って休憩。ベンチに腰掛けタバコを一服、15:43。もう太陽も傾き始めて来た。少し焦りが出てくる。気を入れてもっと先へと進む。

 

 

 

 

1997年8月 四国一周ツーリング記 第7話

なるがです。

 

日記も気づけば7話!結構書いてたんだなーと驚いてます。

ここで初めて銀マット登場w

これで2日分だから、4日分書き上げる頃には13話くらいになると・・おえっ。

少々満腹気味ですが頑張って完成させるぞ~。

 

 

それでは。

第7話いきます。

 

 

一晩だけの思わぬ連れ 続き

今晩はここ「道の駅 宿毛」での野宿なのだが、俺も一人で寝るのは心細かったので嬉しかった。彼もまた大阪から来ているライダーで、愛車はなんと俺と同じ「Honda Steed」!しかも600cc!大型免許持ちか!それだけで神のような存在に感じる。

 

空がきれいなのでテントは張らず、銀マットとシュラフのみ取り出し、芝生の上に敷く。満天の星空を肴にビールを飲みながら静かに語り合う。猫が一匹寄ってきたのでポテチをあげてたら居ついて離れなくなってしまった。

そろそろ寝るか。23:00をまわっている。シュラフへ潜り込み空を見上げると、一面覆い尽くしそうな星の数に感動した。二人で空を見上げながら話しているうちに、いつの間にか眠りについていた。

 

本日の走行距離  約270km

 

9月28日 四国一周ツーリング 3日目

夜中何やら騒がしい。バンで乗り付けた7~8人の男女が海岸の方で叫びまくっている。酔っ払いか?大声で歌い出すし、うるさくて寝られやしない。さらに車がバンバン出入りを繰り返している。夜中は若者のたまり場になるのか~これは失敗したかも。 

いつの間にか彼らもいなくなり、再び静けさを取り戻した。さっきの猫が隣で置き物のように佇んでいる。タバコを1本ふかしていると、物音ひとつしない時間に不思議な気分になった。再び眠りについた。

 

朝陽と共に目が覚める。今日もいい天気に恵まれそうだ。5:30、少しひんやりとした朝の空気がすがすがしい。

夜露でシュラフが湿っており、中も汗をかいて湿っている。屋根が無いとこんな風になるのか。芝生の上だからなおさらだったのかも。

バイクにシュラフかぶせ、日光に当てて干す。その間に湯を沸かし、2人分のコーヒーを淹れる。そして海辺へコーヒー片手に朝の散歩。普段の朝より何倍も贅沢な時間だ。とても気持ち良い。

大阪から来ている彼は、俺とは逆ルートで周っている。名前は聞かなかった。

彼のsteed600は結構イジり倒していて、明るくなって全貌を見るとだいぶイカツイ。本人もヒゲと坊主頭でかなりイカツイが。

俺のsteedと200㏄しか変わらないのに、ドドンドドンと排気音の重厚さが全然違う。

 

別れと旅立ち

時間は過ぎ、しばらくすると1台バイクが入ってきた。steed600の彼と佐田岬で会ってるらしく、話しかけてきた。ついでにその人に写真を撮ってもらう。

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そろそろ8:00になる、出発するか。

あまり深入った会話は無くとも、ただ一晩だけたまたま居合わせただけなのに、心に残る思い出となった。

何故なんだろう。名前も知らない、たった6時間足らず過ごしただけで、俺の心に深く残るものとなった。これが旅の良さなのか。

 

世話になった「道の駅 宿毛」を2台並んで発進する。互いに別方向なので分岐でいったん停車、互いに顔を見合わせ親指を立て、「いい旅を!」そう言い合って別れた。

その言葉ひとつには本当の心がこもった、あらゆる意味を持ち、最高にカッコよく、他には何もいらない、それだけですべてが分かる挨拶だった。

後ろ向きのままバックミラーから消えて居なくなるまで手を振り続けた。

 

もう何とも言えない気持ちになる。これまでは別れは淋しいように感じたが、この時ほど気持ちを新たにさせてくれたのは初めてだ。相手を思いやり、心から無事を祈り、見送る。別れが淋しいのは自分の事しか考えてないからだ。

相手の事を心から思いやったとき、別れは二人にとって新しい出発になる。淋しいとは思わなかった。今日も一日頑張って走るぞという思いが、体全体にいきわたる。朝の清々しい空気が一層気持ちを引き締める。『いい旅を!』最高の言葉だ。

 

四国最西端 佐田岬へ向けて

宿毛市を抜け、宇和島市へ入る。56号線から378号線に乗り損ねて15kmほど引き返した。明浜町から三瓶町へ、道が狭く民家の間をくぐり抜けていく道だ。ゆっくり進む。たまに大きく宇和海が現れる。そしてカーブの連続だ。

しかし車の通行量が少なく、天気もいいし景色もいい。何も文句は無い。ミカン畑が暖かい国なんだと心を柔らかくしてくれる。

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ほのぼのとした空気が流れている。ここには都会のような雑音や心の疲れなんか無い。この空気を吸い込んでなるがままに流されていたい。余計な事は何も考えず、すべてを委ねてみたくなる。

時計を見るとちょうどお昼だ。少し休憩しよう。休憩と言ってもただぼーっとタバコをふかすだけなんだが。店らしき建物もないし、あるのは大きな海と太陽と、昨日の残りのポテチのみだ。

とりあえずバイクから降りて堤防の上にドッカと腰を降ろした。目の前には青々とした海が広がっている。ザザ~ッという波の音と、たまに通る車の音以外は聞こえない。ぼーっとするには最適だ。

 

四国一周の旅ももう半分を越えてしまった。たった2日前の出来事が、ずいぶん前の事のように思える。それだけいろんな体験をしてきたんだ。中身の濃い一日を送ってきたんだなぁと感慨深く感じる。