なるがです。
この夏、僕は某拘置所にぶち込まれました。
嘘です。
拘置所で提供している食事を片付ける「洗い場」にバイトで入ってきたのです。
なんでそうなったかは置いとくとして、
洗い場ではどんな仕事をするのだろう?そして、収容されている人はどんな食事をしているのだろう?どんな一日が送られているのだろう?そこで働く人たちの一日はどんなだろう?という事を書いてみます。
あまり内部情報を詳しく書くとモサドから警告が来るかもしれないので適当に書くとします。
その某拘置所の収容者数は約700名との事。一時期1000名を超えていたというから驚きです。
すなわち、悪い人がめちゃくちゃ多いという事ですね。
建物も当然警備が固く、ぐるりとフェンスでとり囲まれています。施設内へは暗証番号を入力して中に入ります。暗証番号は、※※※※※※※です。
収容者の居る建物の窓はすりガラスになっており、外から中を伺う事は出来ません。収容者も然り。外の景色を眺める事は出来ません。
しかし本当に700人近くいるのかと思うくらい人の気配が感じられません。異様な雰囲気です。
彼らは未決囚と言って、刑が確定していない人たちです。逃げたり証拠隠滅しないように拘束するための施設なので、刑務所とは違います。
極端に言えば、現状ではまだ「普通の人」な状態な訳です。
とはいえ、ここに来ること自体がもうすでに普通ではないんですけど。
犯罪をして捕まったら、留置場〜拘置所〜刑務所という流れになります。
そしてなんと、死刑囚がここ拘置所に収容されているのです。刑が執行されていないから、という理由だそうですが、なんか違和感ありありです。そして死刑場もあり、この建物内で執行される事になります。うーむ、何かここだけ世界が違いすぎます。
いざ厨房へ
施設の方に案内され、その方の静脈認証にてロック解除していただき、さらに内部へと入ります。
厨房施設はとても広く、大きな釜やオーブン、調理機器がずらりと揃っています。ちょうど大釜で調理しているところでした。オールのような大きなしゃもじでグリグリと混ぜております。一方では盛り付けが行われており、流れ作業でじゃんじゃんと手際よく大量の数を捌いておられます。
食事の提供は弁当箱によるもので、この日は麦飯とおかずが盛られていました。日によってはパンの日もあり、な、なんと生地を発酵させ、オーブンで焼くという事もやっているそうです。焼きたてパン!信じられない…。しかしこれは外注で仕入れるよりも安いそうで、手間はかかるが原価を抑えるためにやっているとの事でした。
メニューも毎日日替わりで朝昼晩3食きっちり、専属の管理栄養士がカロリー計算したものです。僕の毎日の食事より健康的ではないか!そしてこの日はアイスクリームまでついてる!なぬ⁈
もっと質素で粗末なものが出ていると思ったら大間違い、毎日違うものが食べれるなんて恵まれすぎなんじゃないの?くどいが僕の食事よりかなり健康的である。
拘置所飯とは
しばらくして僕は洗い場にぶち込ま・・配属されました。
が、ちょうど朝の洗浄作業が終わったところできれいに片付いておりました。隣の厨房では昼食の積み込み作業が行われております。
ここでは収容者と顔を合わす事が絶対にありません。台車に食事のセットを積み込み、所定の時間が来たら刑務官と収容者が取りに来ます。その配膳時はシャッターで完全に隔離されるので、こちらの区画内にはアリ1匹入る事が出来なくなります。いや、アリは入れるんですが。当然収容者とのやりとりなどはありません。僕が抱いていたイメージでは、順番に流れてくる収容者のお皿におかずやらを乗っけていくんだと思っていました。
「ニーチャンこれ大盛りで入れてくれや。」
「あかん、量は決まってんねん。」
「ええやん、いれてくれや。」
「ていうか自分なにしてん?殺しか?」
などのやりとりを勝手に想像しておりました(笑)
相手の顔が見えない分安心と言えば安心ですが、作る側はいったいどんな気持ちで作っているんだろう?やりがいなどは求めるもんじゃないのがここなのかもしれませんが、
感想も聞けず、食べている表情も分からない。作り手のモチベーションはどこにあるのだろう?こんな事言ったら失礼にあたるだろうか。
管理栄養士がメニューを組み立ててはいますが、法務省からは「おいしく作ってくれるな」とも言われているとか。そりゃそうですよね。あそこの拘置所飯はうまいぞ、なんて知れたらそれ目的に入る輩が出てきそうですもんね。
収容者がそろそろ昼食を取りにやってきます。その間に休憩をとります。
収容者の食事時間はだいたい、朝食7:30~8:00、昼食11:30~12:00、夕食15:30~16:00となっています。
飯食いすぎだろ。ていうかサイクル早すぎひん?
しかし、休憩中に拘置所飯を食べて納得しました。量がやっぱり少ないのです。カロリー計算されたメニューだけあって、最低限の栄養管理にとどめられているのでした。
しかも味薄い…お世辞にも美味しいとは言えない…。こんな事言ったら作っている人に失礼なんですが、大釜に全部ぶち込んでかき混ぜるだけの食事…。しかもほとんどの食材が均一化のため(大きい小さいが原因で暴動が起きる事もあるそうです)細かく刻まれています。うまい訳がないですよね。しかしここではそれでいいのです。そもそもシャバの飯と比較すること自体ナンセンスというものです。
メニューの字面はたいそう立派ですが、実際は※※※※※※でした。(KSMZGR)
しかし毎食メニューが変わるので飽きる事はないのでしょう。また、アレルギー対応、減塩、特別食など、きめ細やかな対応をしているのに驚きました。いや本当にこの待遇の良さは何なんだ?と思わざるを得ません。
今回はここまで。
(肝心の洗い場について何も書いてない・・次回へ)