なるがままにされよう

このGブログも6年目に入りました。気が向いたときに書きます汗

1997年8月 四国一周 バイクツーリング記 第4話

なるがです。

 

ツーリング日記も4回目。こうして文字に起こす作業をしていると、まさに現実逃避というか、過去にタイムスリップしてるようにも感じます。仕事のことも忘れ、そして行きたくねーなーとなってしまいます。

 

それでは。

 

 

ドラッグストアでの雨宿り ゲリラ豪雨その後

店の中はついに俺一人になってしまった。陽も完全に落ち、気温も下がってきた。寒さで体が冷たい。

ジャンプしたり、駆け足したり、とにかく体を動かして温めた。そうしている俺を哀れに感じたのか、店のお姉ちゃんが声をかけてくれた。少し会話してだいぶ気も紛れた。身も心も寒かった時に、彼女はまるで天使のようだった。

 

もう20:00になろうとしている。すでに2時間近く経過。雨はまだ降っているが小雨だ。意を決して出発する。お姉ちゃんにさよならして店を出る。

 

今日の宿を探す

体が冷え切ったまま走り出したのでとても寒い。

もちろんカッパも着込んでいるのだが、芯から冷えてるのが取れない。走れば走るほど寒気が増してくる。歯がガチガチと意思とは関係なく激しく音を立てている。

 

そうしているうちに高知市内へと入ってきた。今日はどこで寝ようか・・。まだ決めていない。ふと、カプセルホテルなら市内にあるだろうと市街へ向かい、グルグル回ってみる。

だけどそれらしき看板などは見当たらず、時間だけが過ぎていく。初めての土地、人ごみの雨の中、荷物を積んだバイクで街中をウロウロ。

なんか疲れてきた・・。

お店もいっぱいある、ネオンの街を楽しそうに行き交う人達。

でも何なんだ、この心のざわつきは。何か嫌になりそこを発つ。

 

市街地を抜け出して、どこかにテントを張ってそこで寝よう。そうしようと思った。

バイクを降りて人に聞けばすんなり宿は見つけられたのに、どうかしていた。何のあてもないままバイクを走らせてしまった事に今さら後悔。さて、どうする。

 

走っているとホカ弁を発見。そういや今日ごはん食べてないわ。

のり弁DXごはん大盛りとみそ汁を注文。今日初めての飯だ!急に食欲が湧いてくる。

道路脇にバイクを止め、その後ろで隠れるようにしながら飯をがっついた。熱いみそ汁と温かいご飯が冷え切った体を温めてくれた。本当においしかった。

 

腹が満たされると気分も少し落ち着き、冷静になれた気がした。腹が減っては戦は出来ぬと言うしな。

周りはもう真っ暗で何も見えない。テントを張る気にはなれないので、もう一度市内へ引き返し、大きな公園でも見つけそこで寝る事にしようと思った。

 

まてよ、そういえばここに来る途中、確か24時間サウナらしきものがあったような・・。ハッキリと見てなかったが、とにかくその場所へ行ってみることにした。

しばらくしてそれを発見。24時間サウナだ!オーマイガー!もうここしかないと迷わず決定。21:50になっていた。

 

一晩だけの思わぬ連れ

さっそくチェックインしてバイクを駐車場へと移動させに行く。

するとそこには1台の「カワサキ ZZR400」があった。荷物を積んでるのでツーリング仲間だ。そこへ持ち主が現れ、俺は気軽に声をかけた。

今日の雨の事、どこから来たのかなど、駐車場で話は盛り上がる。同じ大阪から来ていたせいもありすぐに意気投合、思わぬ連れが出来た。

 

ロッカーで湿っている服を脱ぎ、はやる気持ちを抑えながら風呂へと向かう。

そして熱い湯船にゆっくりと浸かる。じわじわくるこの何とも言えないぬくもりと安堵感に、ただただ幸せを感じるのみだった。

 

同じ大阪から来ている彼はどうも一人を好むようで、少し素っ気ない。俺がバンバン話しかけてもあまり話は弾まなかった。一人でゆっくりしたい人もいるのに、俺は相手の事も考えず、ひとりテンションあがりまくりだった。

そして俺は一人ではないと思うと気が楽になれた。彼には本当に感謝している。

 

サウナで体の芯から温まりポカポカになった。あの悲惨なずぶ濡れの寒さからこの展開は想像も出来なかった。

生ビールを頼み、リクライニングシートに体をうずめ、今日一日の無事と幸せに感謝して、キンキンに冷えたビールをいただく。もう何とも言えない幸福感。

 

酔いがまわってきた。寝てないのと疲れのせいもあって、もう知らないうちにウトウトと眠りに入っていった。

 

本日の走行距離 約340km