なるがです。
北朝鮮とアメリカの核・ミサイル問題の対立が日ごとに悪化しているように感じます。
その一端が9月19日の国連総会でのトランプ大統領の一般討論演説においてです。
金正恩に対し
「ロケットマン」「狂った男」「チビ」
「米国と同盟国を守る必要に迫られた場合、北朝鮮を完全に破壊する以外の選択肢は無くなる」
などと過激な警告発言。
これを受けた金正恩は「ゴロツキ」「老いぼれ」「悪の大統領」そして
「私と国家に対し完全破壊と言ったからには、史上最高の超強硬対応措置を慎重に考慮する」とやり返す。
まだまだ口撃の応酬は収まる気配がありません。
しかしここで怖いと思わせることがあります。この内容が金正恩北朝鮮最高指導者の名による声明ということです。さらに、
「国家と人民の尊厳と名誉、自身の全てを賭け、言葉ではなく行動で示し、トランプに必ずそのツケを払わす」
と内外に向けて発信しています。これは自分で発言したことに対する撤回や言い訳などは出来ない、という事を表しています。
これまでは幼稚園児の言い合いみたいな事を言われてきましたが、これはちょっとヤバいんではないか?トランプはタブーを犯してしまった感が否めません。
「お前のかーちゃんデ~ベソ~」でやめとけば良かったのに、「殺す」ともなればハナシは変わってきます。
何がきっかけで我慢の限界が越えるか分かりません。恫喝の応酬で戦争が引き起こされるなど愚の骨頂です。
「頭を冷やして激しい言葉の応酬は休止するべき」と各国からも自制が求められています。
北朝鮮の孤立
国連総会でのトランプ氏演説の直前、北朝鮮の大使は議場を退出しています。批判や非難があると予測してのボイコットでした。
トランプは北朝鮮に対し金政権を孤立させるため、すべての国が協力するときだと発言します。そして各国からも同じように北朝鮮への非難が相次ぎます。
北朝鮮は完全に国際世界から孤立してしまいます。
何かこのボイコットの場面は日本が国際連盟脱退前の場面と被って見えます。
【カラー】 松岡洋右 国際連盟脱退前の演説シーン 1933年(昭和8年)2月24日 / Leave League of Nations Yusuke Matsuoka Japan 24-2-1933
リットン調査団による報告書には日本の主張(満州国承認など)を認めないものばかりで、当然日本はこれに反発します。しかし連盟総会は42対1(日本)で報告書を採択します。そしてその直後に議場を退出してしまいます。去り際に松岡洋右は「さいなら!」と吐き捨てるように言ってその場をあとにしたらしいです。
以後の日本外交は国際社会から孤立し、ドイツ・イタリアとの三国軍事同盟へと向かいます。
そして日本は米・英・中・仏などを相手に、絶対に勝てない戦争へと突入することになるのです。
今の北朝鮮と似ていませんか?
情報によれば北朝鮮はあのISとも連絡を取っており、韓国でテロを起こしてくれと依頼したとも聞きます。どこまで本当か分かりませんが。
北朝鮮が反トランプ国と同盟を結んだとしてもおかしくありません。
ここへきて北朝鮮では10万規模の反米集会が開かれました。
「金委員長を傷つけようとするならば即座にこれを打ち砕く。アメリカは悲劇的な終末を見る事になるだろう」
と対決姿勢をあらわにします。
ミサイルによる水爆実験か
金正恩による「超強硬な対応措置」は太平洋上での核ミサイルによる水爆実験かとも言われています。核弾頭を装着したミサイルがもしトラブルで途中落下などを起こせば、確実に人的被害が出る事も考慮せざるを得ません。
もしそうなった場合、ミスでは済まされません。戦争勃発の引き金となってしまうでしょう。
それについてトランプはまたしても「マッドマン」「常軌を逸した人物」と呼び非難します。
そして23日にはB1爆撃機とF15戦闘機が北朝鮮東方沖の空域を飛行。今までで最も北側まで飛行したことになります。
かなり緊迫した状況ではないでしょうか。互いに攻撃の意思があることを明確にしています。
一方、北朝鮮内部では軍の中堅幹部クラスの不安・動揺が広がっているそうです。中央は米国に必ず勝利する!とうたってはいますが、地方では全く信じていないようなのです。金正恩による粛清の嵐によって、忠誠心・愛国心を持ち続けることが難しくなっているとの情報もあります。アメリカによる「斬首作戦」にも過敏になっており、本人のストレスは相当のものだといいます。
こうなると内部崩壊も考えられますが、追い詰められて自暴自棄になった金正恩がもろもろ巻き込んで暴発というシナリオもあり得るかもしれません。
現在北朝鮮は「朝鮮半島に核戦争の危険が刻一刻と近付いている」と声明を出しています。もう戦争やむなしのところまで来ているといえます。
中・露は対話方針の姿勢を崩していません。北朝鮮の裏にはなんと露がバックについているとも言われています。
各国は政治手腕を駆使し戦争回避の方向に何としても持っていって欲しいものです。
今後の展開には要注意です。