Summer Dream
歌:TUBE
作詞:亜蘭知子
作曲:織田哲郎
渚のカセット 好きな歌だけ詰め込んで
夏にアクセル ハンドルを切れば
海風がはしゃいで
乱反射している 陽射しよりも眩しい君
同じ景色に 心動かして
寄り添っていたいね…
なるがです。
僕が『ドライブと音楽』と聞いてまず連想したのが、チューブのこの曲です。
やっぱドライブするならこんなシチュエーションが最高です。ポップなメロディも、とてもマッチしてます。てか若い人は知らないですよね。
ゴキゲンな音楽をかけながら、オープンカーに彼女を乗せて海岸線を走っているんだなーと、誰でも容易に想像できるところがいいです。
でもさ、彼女が陽射しよりも眩しかったら見えないじゃん……!
などと野暮な事は言わないでおきましょう。そう言いたくなる気持ち、凄く分かります。マブい(死語)彼女を乗せてドライブなんて超サイコーじゃないですか。
僕が免許を取ったのは18歳の時です。すぐに地元を離れたので、その後運転する機会もなく28歳までペーパードライバーでした。地元で運転したのは2週間くらいだったと思います。それでも親父のマークIIを夜な夜な借りては、あと僅かとなった日々を、友人の野郎達を乗せてバカ騒ぎしながら色んな所へ走らせました。
マークIIにはカセットデッキしか無く、CDラジカセを車に放り込んで流していました。やはり『ドライブ』には『音楽』が欲しくなるんです。これは本能的に求めてしまうものなのでしょう。そして自分の好きな曲をカセットに編集したものや、最新のCDなどを互いに持ち寄り、順番にかけてはドヤっていたものです。
当時流行っていたのは、ガンズアンドローゼズ、ミスタービッグ、オジーオズボーン、エクストリーム……などなどハードロック全盛期!
ですが僕は隠れてデビーギブソンやカイリーミノーグなども聴いてました(笑)
カセットには片面に隙間なく詰め込む為、楽曲の時間配分作業は欠かせません。しかしそれでも余ってしまうので、気付けばTV放送終了後の様な、何ともしがたい無音時間が車内に漂う事もありました。
当時は1991年、友人が持ってきたレッチリの最新アルバム「ブラッド・シュガー・セックス・マジック」をドヤられた時は衝撃でした。何これ…!
ぎぶるうぇ〜ぎぶるうぇ〜ぎぶるうぇいなー!
Red Hot Chili Peppers - Give It Away [Official Music Video]
夜中のドライブにアゲアゲの曲は(別の意味であげちまえと歌ってるんですが)僕らのテンションをあげまくっていました。皆んなこのままどこまでも行けるような、朝が来て欲しくね〜と思っていました。田舎なので何も無いけど、とにかく楽しかった。
そしてとうとう僕がここを離れる最後の晩、部屋の窓にコツン、コツンと小石?が当たる音が。見れば奴らではないですか。当時は携帯電話なんかありませんでしたから、夜遅くにコンタクト取ろうと思ったらこんな事するしか無かったんです(笑)
最後にドライブに行こう!とこれから出かける事に。オイオイ俺明日出発なんだけど!!
ったく…男のくせにおセンチ(死語)な奴らばかりだぜ…。
夜中の母校にお邪魔(不法侵入じゃないですよ念のため)して、皆んなでラーメン食べて、タバコふかして、車走らせて、はしゃいで、バカ話ばっかして……いつもと同じなんですが。そして気付けば空が白み始めていました。
最後に海を見に行こうとなり、ガラガラの誰もいない朝の海岸線をゆっくりと走らせていました。皆んな疲れて無言になり、缶コーヒーを飲みながら車内はとても静かでした。そんな時にかかったのがこの曲でした。
バックミラーに映る友人の一人が目頭を拭っていたのが目に入りました。一瞬でしたがそれがあくびによるものだったのか、泣いていたのかは分かりません。その光景はこの曲を聴く度に思い出します。
ドライブと音楽はこうして短い期間ではありましたが、強く思い出として、今も僕の中に生きています。車という新しい遊びを得た事、有り余る若さと、ぎゅっと凝縮された時間がそうさせたのかもしれません。
それから随分と時は経ち、結婚して家族を車に乗せるようになっても、やはり音楽は無くてはならない物の様です。乗る度に Bluetoothの奪い合い、先に接続したもん勝ちです。ダウンロードで簡単に曲が手に入り、何万という曲を持ち歩ける時代。本当に便利になったものです。
余りに便利すぎて本当にお気に入りの曲や、思い入れのある曲が出来にくくなっている、と感じるのもきっと歳のせいなんでしょう。
それでも歳をとってもやっぱり憧れるのは、お気に入りのゴキゲンサウンドと共に、夏のギラギラした海岸線を、オープンカーでカッ飛び(死語)たいという事です。マブい彼女を乗せていつの日か実現してみたいですね。
あぁ、彼女というのはもちろん嫁さんの事ですよ。
ただ乱反射しているかは分かりません(笑)