なるがままにされよう

このGブログも6年目に入りました。気が向いたときに書きます汗

2001年8月 九州一周 バイクツーリング記

なるがです。

もうずいぶん前の事ですが、16年前の九州一周ツーリングを書き起こします。自分にとって一生の思い出なので、今でも忘れる事はありません。ただ、記録として日記でも取っておけば良かったと今更ながら後悔しております。

唯一の情報が写真と記憶。しかしあれからもう16年か~月日が経つのはあっという間です。体重が増えた事以外、当時とあまり変わってませんが。

まさに光陰矢の如しですね。後悔のない生き方をしていきたいものです。

 

1997年の四国ツーリングから4年後になるのですが、あの時の感動が忘れられず九州一周という暴挙?に出てしまいました。期間は5日間!超ハードスケジュールです。

 

2001年8月24日 

時間を稼ぐために前日の晩から出発する。当然仕事帰りの出発になるので準備はほぼ完璧にしておいた。大阪南港21:00発の関西汽船さんふらわあ」に乗船予定だ。

フェリーターミナルには同じツーリングの人達、車や人がたくさん。手続きから乗船までの待機時間も楽しく感じる。今回は大型フェリーだけに興奮度がすごい。

順番に係員に誘導され乗り込む。フェリーの中はでかい!係のおっちゃんが手慣れた手つきでバイクを船体壁にロープと車輪止めで固定してくれた。

今回の相棒は8年付き合ったHonda 「Steed」とお別れして、Suzuki 「Desperado400」に乗り換えた。この日の為にバイク屋のおっちゃんに荷物を載せるキャリアを特注で作ってもらった。

関西汽船フェリー「さんふらわあ

フェリー内はとても広い。色々と設備が整っている。寝床だが、お金の節約のため2等客室での宿泊、いわゆる雑魚寝というやつになる。

客室で一人だとどうしても時間を持て余す。周りもグループが多く話せる雰囲気ではない。ふらふらと外のデッキに出てみる。真っ黒な空と海、遠くを見るとあれは神戸の灯りだろうか。キラキラ光ってとてもきれいだ。

明石海峡大橋をくぐり、街の灯りと並走する様に瀬戸内海をゆっくり航行する。夜のフェリーは非日常的で楽しいが、外の風は思ったより強いし、なんせ真っ暗闇で怖い。海に落ちたら死ぬだろうなーなどと考える。

 

しばらくして船内に降りると、窓際の展望席に一人旅風の若い女性を発見。気にしてない素振りをしつつ、シート2つ間隔あけて座る。…うーん、時間が経っても一人なのでこれは声をかけても良さそうだ。

と思ったら、なんとおっさんが間に座った。(おっさんマジか)タイミングを完全に失って彼女も席を立ってどっかへ行ってしまった。

明日に備えて寝る事にする。

 

雑魚寝のせいで隣との距離が近い。寝ぼけてパパと勘違いしてるんだろうか、子供に抱きつかれて困った。

 

8月25日

船内に朝陽が差し込み、夜とは違う表情を見せ始める。フェリーのボボボボ〜というエンジン音とまだ静かな船内が独特な雰囲気だ。ちょっと早起きしてデッキへ出る。

朝陽がまぶしい~。たばこを一服、最高だ~。

8:30に愛媛県松山港に寄港。接岸を上から覗き込む。ここで結構降りて行ったので船内は急に淋しくなった。

そうだ、朝風呂へ行こう!案の定ガラガラで貸し切り状態。窓から大海原を眺め、湯船で28歳の男が一人泳ぎまくる。

 

 10:10大分県別府港に到着。ついに九州到着だ。フェリーはゆっくりできるし楽しめる。移動時間を有効に使えたんではなかろうか。これはとてもいい選択だった。

 

九州一周へ

 ついに九州上陸。一周に向けてスタートだ。どんな旅になるんだろう。この瞬間の解放感がやばすぎる。初めての土地で見る風景と道と、この解き放たれる直前の感覚。何もかもが圧倒的自由だ。

 

県道11号別府一の宮線「やまなみハイウェイ」に乗る。

鮮やかな緑の山々と広大な空間、ワインディングロード、天気もすこぶる良い。とにかく気持ち良すぎて顔のにやけが止まらん。

広い土地の所々で牛が放牧されている。

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牛さんを撫でる。その横に『阿蘇とうもろこし』なる露店を発見。バイクを降りて見に行ってみる。おばちゃんが生の剝きたてを「甘いよ!」と言ってすすめてくれた。

食べると本当に甘い!みずみずしい甘さでえぐ味もない。「おばちゃん美味しいわ!」と言って買わずにそこを立ち去った。

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(グーグルマップで確認したら現在「Aso Sweet Corn」という名前になって、しっかりした店舗を構えていました)

45号線に乗り「大観峰」へ向かう。(展望所から望む山の稜線が『釈迦の寝姿』に見えるそう)観光客がたくさんいる。展望所まで500メートルほどの道のりだ。ソフトクリームを舐めながら一人、黙々と歩く。

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確かに見えなくはない。

 

 国道212号線を南下、県道111号線~草千里ケ浜で休憩。こんな広い空間見たことないわー。

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バイクを走らせ阿蘇山頂へと向かう。阿蘇町営道路¥100なり。

しかし今日は火山ガスが強いらしく、火口へは行けないという。残念だが仕方ない。

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離れたところにある展望台から望む。確かにガスがすごい。周りを良く見ると所々に退避シェルターが見受けられる。シェルターというより『トーチカ』だな。この造形物はちょっと不気味だ。命を守るためのものだからなのか、異様な迫力がある。

 

16:00くらいに宮崎県に入った。

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国道325号線を南下、高千穂峡へ向かう。16:56雲行きが怪しく、薄暗い。国道218号線分岐で道を間違え逆方向へ行ってしまう。

何かおかしいなと思いながら走っていると何やらきれいな橋がある。ルート確認と一服がてらその橋へ寄る。『天翔大橋』だそうだ。小雨もパラつき出し暗くなってきた。

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カッパを取り出し着る。マップを眺めながら、時間も時間だし高千穂峡は諦めるか・・。

 そこへドコドコドコと排気音を鳴らしながら1台のアメリカンバイクがやってきた。あれ?こっちへ来る?目の前で止まった。なんと本物のハーレー乗りではないか!

『何か暗そうに佇んでるヤツがおるな~と思ってw』と寄ってくれたそうだ。

彼は「今日はどこへ行くの?どこ泊まるの?」と聞いてきた。

見ればおっさんだし、別におっさんと泊まりたくねーし、変な人かもしれないと警戒していた。

でも話するうちにすごくいい人だと分かって、結局今から一緒に行動することになった。H.Hさん37歳。10ほど先輩だ。

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もう結構暗いし、雨もパラパラ降ってきた。彼はこの辺は詳しいらしく、案内してくれるというのでとても心強い。

 この旅でも初日にして思わぬ出会いがあった。しかも今回は道連れだ。一人旅ではなくなるけど、こんな旅もまたいいだろう。どうなることやら。