なるがままにされよう

このGブログも6年目に入りました。気が向いたときに書きます汗

2001年8月 九州一周 バイクツーリング記 第三回

なるがです。

 

Hさんとの旅も順調に進み、自分では行けなかった場所にも連れて行ってもらったり、至れり尽くせりして頂きました。Hさんはここ日南市に住んでいて、この辺の地理なら大体分かると言ってました。

この頃には僕はすでに完全に心を開いており、本当に楽しい思い出ばかりです。

まるで長い付き合いの友人の如く接していられたのですが、これもHさんの、仏の様な大らかな気持ちがあったからに他ありません。

こんな上司なら最高なのになぁとさえ思いました。優しいだけでなく、ぶれない筋の通った強い土台のようなものも感じました。今の職場の上司と大違いだと思ったものです。

と、これくらい持ち上げとけばいいかな!・・・。

 

どこへ向かっているのか分からないままに、気付けば陽も暮れ、ひたすらHさんの後ろについて走ります。

 

宮崎和牛ホルモンと芋焼酎

バイクは路地へと入り、細い道路を進む。そして民家らしき家の前でバイクは止まった。よく見ると赤ちょうちんがある。居酒屋だ。

Hさんはそこの大将と知り合いのようで、ここの炭火焼きがうまいという事だ。中はあまり記憶にないが、狭く薄汚れた屋台の様な感じ。しかし居心地は悪くない。むしろお洒落な店よりずっといい。

宮崎牛?だったかな・・思い出せないのだが、その和牛テッチャンの炭火焼きを出してくれた。ホルモンはあまり好きではないのだが、とりあえず食べてみる。もぐもぐ・・

 

「な、なんだこれは・・!」予想をはるかに上回る噛みしめた時の旨み、口の中でとろけて消える脂。完全にテッチャンの印象が覆った。うまい、うますぎる!今まで食べて来なかったので単に食わず嫌いなだけだったんだが、これにはしこたま感動した。

そして芋焼酎」。これがまた美味しかった。

あまりお酒は飲まないのだが、この芳醇な香りとコク、銘柄は分からないけど炭火焼と合う。脂っこさを焼酎が洗い流す感じ。この時ほど美味しく感じたことはない。

他にも魚とかいろいろ出してもらったんだが、どれも全部美味しかった。

 

 

飲酒運転ダメ、絶対

Hさんにご馳走になり、結構いい感じで酔っぱらってしまった。お店の大将にお礼を言って店を出る。もう23時くらいだった気がする。記憶にない。

しかし今日はどこに泊まるんだ〜? などと思っていたら、次はカフェみたいな店に入りお酒をオーダーするHさん。お姉さんが運んで来て、また俺の事を紹介してくれた。確かきれいなお姉さんだった記憶がある。知り合いがたくさんいるんだなぁ。

 

この頃俺はすでにフラフラだったが何とか頑張って耐えた。さすがに寝てしまうのは失礼だ。夜中1時くらいに店を出たのかな・・ほんとに今日はどうするん??と思ったら、次はなんと「スナック」!に入る!

(まだ飲むんかいっ!!)

「本来酒飲みとはそういうもんだ。こんなのはまだ序の口、ガハハ!」と笑ってたが、さすがに俺は限界に近い。このスナックもHさんの知り合いのお店で、なんと今日はここで泊まらせてくれるという事だ。

 

 オーナーが店じまいを始め、Hさんもついにダウン。「その辺で適当に寝て行って〜」とオーナーに言われ、挨拶してようやく解放された。やっと眠りにつける~。午前3時半くらいだったと思う。いやはやなんともあり得ない、すごい体験させてもらってるわ。その後超爆睡。

 そういえば居酒屋~カフェ~スナックと、どうやってバイクでここまで来たのか全く思い出せないのだが・・。そうか、きっと誰かが俺らの代わりに動かしてくれたのだろう。

 

8月27日 3日目

 目が覚めると、ココはどこ?状態。あぁ…そういえばスナックの店内で泊ったんだっけ…。

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ぼーっとして昨日のお酒がまだ残っているようだ。Hさんもぼーっとしている。

お冷をもらい、一口飲む。しかし今日は走る気がしないわ~だるさ半端ない。そりゃそうだ。しかしHさんはものともせず「行こうか~」と言ってくる。

どんだけタフやねん。

 

 世話になったスナックをあとにする。結局ここがどこなのかは分からなかった。(これは今でも結構気がかりでもあります)

 

 大堂津海水浴場で休憩。コンビニで買った弁当を食べる。すでに海水浴のピークは過ぎているためか人もポツポツとしか見受けられない。しかし!少し向こうで水着ギャルが日光浴している!いい眺めだ~。Hさんが写真に収めてくれたw

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隣にいるおっちゃん覗き込んでないか?てか写真ではあまり見えなかった。残念。

 

 

本土最南端「佐多岬」へ

 ここからどうルートを取ったのか分からないが、今回の目的地の一つ、佐多岬へと向かっている。大隅半島を横断、志布志町~鹿屋市へ抜け、国道269号線大根占町へ入り南下。たぶんこんなルートだと思われる。

 

県道68号線沿いの「ふれあいパーク佐多」に到着。Hさんは佐多岬はもういいらしく、ここで待機することに。久々に一人でバイクを走らせる。Hさんに見送られ岬へと出発。

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岬に向かっているが対向車がほとんど無い。そもそも人の気配を感じない。それに加えて何故こんなに淋しい感じがするんだろう。それは人が居ないからだとは思うが。

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 程なくして到着。ここから岬までは歩きとなる。不気味な長めのトンネルをくぐり抜け、その後は森の中をひたすらに歩く。途中祠(ほこら)があり、お参りして先を目指す。どんな道のりだったかはあまり覚えていない。

 

 そしてついに岬に到着!本土最南端制覇!と言ってもただ男が一人ポツンと居るだけで…。

昔はここに売店・レストランがあったみたいだが、今は廃墟と化しており、その名残と哀愁だけが漂っている。にぎやかであったろう情景が思い描かれる。

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老夫婦が来られてたので写真を撮っていただいた。

 四国の佐田岬もそうだったが、最果ての岬というものは淋しい場所だ。しかし端っこには何もないがロマンがある。分かってくれる人はたぶんいるはずだ。好き好んで行く奴は相当の物好きであり、間違いなく俺もその中の一人だ。

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遠くに見えるのが灯台だが、行けるのはここまで。

しばしボーっとたたずむ。

嫌な事や考え事があるならこういう所へ来るのも悪くない。ひたすら無心になれる場所だ。間違っても変な気は起こさず、ちゃんと戻ることが前提だが。

 

佐多岬を後にする。

 

「ふれあいパーク佐多」ではHさんが待っててくれた。再び一緒に走り出す。

もしかしたらHさんがあえて俺を一人にしてくれたのかもしれない。じゃなければきっと岬でいろいろ考えたりしなかったはずだ。

岬には一人でいくべし。きっと何か得るものがある。

 

 

海沿いの休憩所で野宿

 来た道を北上。19:00スーパーケーオーにて買い出し。今日は焼肉だ〜!ビールやらカップラーメンなど好きなものを買いまくる!

しかし買ったはいいが、どこで食べるんだ?

するとHさんは、もう目ぼしい場所は見つけてある、という。269号線を南下してる際に見つけ、初めからここにすると決めていたらしい。さすがだ…このアンテナの張り具合。これは仕事もはかどるわ。

 

 着いたのは国道269号線沿いの休憩所だ。海沿いで、明るければ最高な景色が拝めただろう。今はもう完全に陽も落ちて真っ暗なため何も見えない。

 

 荷物を運び入れ終わってランタンに灯を点けたら、早速ストーブで肉やらソーセージやらをジュージューと焼いていく!

そして缶ビールでカンパイ!なんだこれは!楽しすぎる!

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二人だとやっぱり楽しさも2倍なんだなぁ。

一人では絶対に味わえない楽しさ。逆に多くても味わえない。二人とは実にバランスのいい組み合わせなんだな。

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楽しい晩飯も終え、片づけてゆっくりする。

辺りは何も見えないが、月明かりに照らされた海面がキラキラと揺れているのが見える。美しい。

寝ころびながらずっと語り合った。話すことはまだまだ尽きないほど出てくる。本当にHさんには感謝という言葉しか思いつかない。

そして一緒に過ごすのも今晩が最後となる。明日は桜島で別れる予定だ。急に淋しく感じるが、最後までしっかりと後悔のないように過ごすつもりだ。