なるがままにされよう

このGブログも6年目に入りました。気が向いたときに書きます汗

1997年8月 四国一周 バイクツーリング記 第10話

なるがです。

 

今治でのチャリダーとの出会いのおかげで、当初の友人に会うという目的はすっかり忘れており、その後は思い出しもしませんでした。

旅も終盤に差し掛かり、得も言われぬプレッシャー、サザエさん症候群にも似た焦りを感じるようになります。ツーリングの終盤はいつもこんな感じだったような気がします。ぼちぼちと仕事の事が頭に浮かぶようになり、現実に戻る準備に入ったかと淋しい気分にもなります。

 

それでは。第10話です~。

 

一晩だけの思わぬ連れ 続き

23:00をまわり、あっという間の楽しい時間は過ぎた。チャリダーとでもこんなに分かり合えるんだと、とても嬉しかった。

寝ようとするが、なんとゴキブリが出現!街中だとこんな所にも出るのか。

さすがにシュラフのみで寝るのは抵抗がある。そこでやっとテントの登場だ。使わずに終わりそうだと思ったが、まさかこんなところで使う事になろうとは。

 

I君に手伝ってもらいテントを組み立てる。あとは寝るだけ。I君はテントを持っておらず一緒に寝ることに。二人用テントとは言え実際寝てみると異常に狭い。しかしゴキブリの脅威から逃れるには致し方ない。でも修学旅行のようで楽しくもあった。少し話をしながら眠りについた。

今日の出会いと、無事でいられた事、ここまで頑張ってくれた相棒に感謝して。

 

 

本日の走行距離 約370km

 

8月29日 四国一周ツーリング 4日目 最終日

少し涼しくなってきて目を覚ますと、テントの中が明るくなっている。朝だ。

時刻は5:30。外に出てみるとすごく気持ちいい。うーんと体を伸ばしてみる。今日もいい天気だ。朝陽と共に起きるのは何て気持ちいいんだろうとつくづく思う。この3日間は自然と共に生活している気がする。

4日目の朝、今日はとうとう最終日だ。無事帰れることを祈って今日もまた走ろう。テントをたたみ、顔を洗って一服する。公園なので所々にジョギングしてる人たちが見受けられる。この場所にもすでに人が上がって来ており、怪訝そうな顔でこちらを見ていく。

7:00、そそくさとその場所を立ち去る。

 

一生の思い出

I君はこのすぐ近くの泰山寺へ寄ることになっている。彼とも別れの時が来た。だけど淋しくはない。頑張れよ、と励まし励まされ、お互いの道へと走り出す。

一人になるとまた気分が新しく生まれ変わる。朝の冷たい空気の中を走り、いつしか彼の事は消えてゆく。けれども心の中には一生消える事のない彼がいる。

くどいが、本当に人との触れ合いとはいいものだ。旅に出る人たちもこの様な体験をしてきているんだろうか。これだから旅はやめられないのかも。

 

銭形平次の砂絵

今治市を抜け196号線から11号線、讃岐街道を走る。

8:00頃にはすでに渋滞気味でノロノロ運転を余儀なくされる。ちょっとしんどい。今日は観音寺市の『寛永通宝銭形』の銭形砂絵を見に行く事に。

ほどなくして到着。

展望台から眺めると、銭形平次で見たやつが目の前に。

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なんでも、この銭形を見た者は健康、長寿、お金に不自由することがないと言われてると聞き、拝んできた。南無。

 

心ここにあらず

この頃から少し気持ちが萎え始めているのが自分でも分かる。それでも最終日だからと心を奮い立たせ、次の目的地の五色台へと向かう。

しまいには海岸線沿いを走る気力も失せて、交通量の多い国道11号線を高松へ向けて走る。大きな幹線道路だと楽で考えなくていいから。

心にぽっかりと穴が開いたというか、完全に腑抜け状態で五色台に到着。

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五色台スカイラインに乗ってみるが、全然楽しくない。

なんなんだこの虚しさは。

バイクを止めて景色を眺めるも、全然感動しない。

タバコをふかしながら思うのは、これまでの素晴らしすぎる出来事だった。心ここにあらず、とはよく言ったものだ。

淋しくはないなどと言っていたが、これほどまでにやられるとは意外だった。

 

ここで俺の気持ちは途切れてしまった。もう帰ろう。

 

帰りは行きと同じく大鳴門橋を通り、淡路島~自宅の予定だったが、なんか走るのが疲れたのでフェリーで帰ることにした。

調べてみると、徳島港から大阪南港行きのフェリーがある。これに乗ることに決定。そうしたら少し気持ちが楽になった。ここへ向けての四国ラストランになるからだろう。再び11号線に乗り徳島港を目指す。

 

四国一周

香川から徳島に入り、海岸線を快走。そうしてしばらく走っていると、見覚えのある景色が。

3日前、大鳴門橋を渡ってきて、四国一周への第一歩を始めた道路だった。

 

ここも覚えている、これも覚えている。少し走ると吉野川に差し掛かった。橋を渡りながら、あぁ、この河川敷、炎天下の中あそこで寝てたよな~。今までのなつかしい思い出が途端によみがえってきた。

 

同時にこの瞬間、俺はついに四国を一周したんだと実感した。

 

中央分離帯越しの対向車線から、荷物を満載にしたライダーがこっちに向かって大きく手を振ってきた。まるで一周おめでとうと言ってくれてるかのようなサインだった。俺も大きく手を振ってそれに応えた。

 

四国一周!俺はやったぞ~!!

達成感が半端じゃなかった。本当のゴールはここではないが、とにかく俺は、嬉しくて嬉しくて仕方なかった。

1997年8月 四国一周 バイクツーリング記 第9話

なるがです。

 

 

佐田岬をクリアして、この旅の予定は終わってしまいました。しかも次の予定は立てていません。ただ出来るだけ海岸線に沿って走る事で、一周を達成したいという漠然とした目的はありました。

しかし、やはり明確な目的というものが無ければ人間はモチベーションが続かない生き物なんだと思います。今から向かう方面に友達がいるので、そこへ向かって走る事にしました。

だけど、当時は携帯電話など持っていませんでしたし、突発で思いついたので連絡先すら知らない状態で向かいました。向こうへ行けばもしかしたら会えるかも、ぐらいの感覚でした。(会えるわけねーだろ)偶然を期待するにも程があるw

 とにかく目的が出来た(無理やり)ので、今治市方面へと走らせます。

道後温泉をスルーしたのは今でも後悔していますw

 

 

それでは、第9話です。

 

 

国道197号線~378号線 峠磯崎林道

佐田岬を後にしてからはひたすら走っている。市街地も徐々に少なくなり、淋しい山道へと入っていく。陽はどんどん落ちて来ており、気温も下がり始めた。

378号線に通じるショートカットできる林道があり、少し不安だがその道を通ることにした。

 

太陽がもう海へ沈もうとしている。時間の経つのが早い。今夜は一体どこに泊まることになるのだろうか。だけど不安は無かった。この2日間で何とかなるというのが分かったから。

焦っても仕方ない。あまりの景色の美しさにバイクを止めて一服することにした。

辺りはシーンとして凄く静かだ。心が落ち着く。誰も居ないこんなところでタバコをふかし佇んでいると、まるで自然に包み込まれてしまいそうな感覚になる。自然は本当に素晴らしい。10分ほどで出発したが、いい休み方をした。

 

林道が終わり分岐に差し掛かった。松山市方面へと走らせる。左手に海が見えてきた。この頃から少し眠気が襲ってきて、振り払うのに必死だった。バイクでも走りながら寝れるのだ。単調な道と景色が長く続くと気が緩むので注意が必要だ。

 

特に変わったこともなく、ただひたすら走るだけ。時刻もすでに18:00をまわっている。テントを張りたいので、できるだけ陽のあるうちに今日のねぐらを決めたかった。海岸でいい場所を探すが、いや、もう少しいい場所があるはずだ、となかなか決められずにいた。

頼みの道の駅も人でいっぱいだ。お邪魔する気にはなれない。そうしているうちにだんだん陽も暮れ始め、気が付けば松山市内まで来てしまっていた。

やはり大きな街だけに交通量がものすごく、車と人がやたら多い。ここでもやはり居心地が悪く、早く抜け出したい気持ちだった。道後温泉のことなど全く頭になく、ただ街から出る事だけを考えた。

そして時刻は19:00をまわり、完全に陽は落ちた。

 

 今日のねぐらは

56号線から196号線に乗り、ようやく車の量も少なく走りやすくなった。しかし晩飯もまだ、今日のねぐらもまだ。一体どうなることやら。まるで他人事のように思いながらもまだ走り続けた。

20:00もまわり、そろそろ本気でやばいと思い始める。無理は禁物だ。

 

とりあえず行動を起こさねば。国道沿いのローソンに入り晩飯とビールを調達する。店員のお姉さんにキャンプ場はあるかと尋ねると、なんとすぐそこにあると言う。野間馬ハイランドというらしい。

この出来過ぎた流れ、やっぱり何とかなるわ~と安心してローソンを出る。

 

ところが、しばらく走ってもそれらしき標識は出てこない。いやまてよ、そういやそんな看板があったような・・・。やはりどうも通り過ぎているようだ。引き返すか迷ったが、面倒くさいのでそのまま走る。

さて、どうしようかと考えながらしばらく走ると、「市民の森公園」というのを発見。なかなか素敵な響きだ。感覚で今日のねぐらに決定。

 

一晩だけの思わぬ連れ

入っていくと売店があり、今まさに戸締まりをして帰ろうとしているおばちゃんがいた。

「今日ここで泊まりたいんですが、大丈夫ですか?」と聞いてみると、

「ついさっき自転車に乗った子が一人来て、上の方にいるから一緒に泊まってあげて」と言う。そう言うと、おばちゃんはおもむろに軽トラに乗り込み、

「案内するからついて来て」と、完全におばちゃんのペースに飲み込まれる。一瞬の出来事だった。

小高い丘の頂上には屋根付きの見晴らし台のようなものがあり、そこにはすでに一人ぽつんと佇む若者がいた。おばちゃんは「じゃあね」と一言残しすぐ帰っていった。

 

初対面の二人だけが取り残され、まるでお見合いのような少々気まずい出会いの中、とりあえず明るく「こんばんは~」と声をかける。何せ相手はチャリダーだ。一晩とは言え、バイク乗りの俺と共存できるのか?

彼は東京から来ているA.I君19歳。自転車で八十八ヶ所めぐり、お遍路さんをしているチャリダーだ。現在で7日目だという。

 

ランタンに灯を点け、ストーヴでさっき買ったソーセージとキャベツを炒める。そしてビールの栓をプシュとやって、ようやく一息つける。今日もお疲れさん、と自分に、そしてそばで佇んでいる愛車steedに。話しかけると本当にヤツは疲れてるなーと思えてくるから不思議だ。文句も言わずに良くやってくれている。お疲れさん。

 

周りには誰も居なくて俺ら二人だけだった。飯の匂いにつられてまたしても猫が寄ってきた。遠くからこっちを眺めている。ご飯をあげると喜んで食べていたが、それ以上は近付いてこなかった。

ビールを飲みながらランタンの灯を囲んで話は盛り上がった。最初の不安はどこへやら、同じ旅人同士ならツールは関係ない。

 

よく考えてみるとこの三日間、一人で寝る事は無かった。こんな事ってあり得るのか?そう思うと、神様がめぐり合わせてくれてるんだと思わずにいられなかった。

人との出会いは本当にいい。この旅をして正解だと心から思った。

1997年8月 四国一周 バイクツーリング記 第8話

なるがです。

 

この旅で僕はグルメに全く興味を示していません。

香川のうどん、高知のカツオ・・おいしいものがいっぱいなはずなのに、ツーリングの最中に食べたものと言えば、ほか弁、おにぎり、カップ麺、缶コーヒーにカロリーメイト、ポテチ・・・ひどすぎるw

しかし、もしグルメも目的に入っていたとしたら確実に・・・味気ない旅になっていただろうなと思うのです。スケジューリングはとても大切です。でも僕が当時立てたスケジュールは、〈室戸岬足摺岬佐田岬~帰る〉だけでした。当然宿泊地など決めていません。行き当たりばったり。

4日間という制約はあれども、妙な脅迫観念も無く、時間制限も無く、ひたすら自由な旅だった事が逆に良かったんだと思います。

 

それでは第8話です。

 

 

四国最西端 佐田岬

30分ほど休憩したし、そろそろ出発しますか。第3チェックポイントの佐田岬へと向かう。どんなところなんだろう、心が弾む。

長いワインディングロードも終わり、八幡浜市へと入る。大きな市街地でかなり渋滞している。さっきまでの安らぎはどこへやら、騒音とむせかえるような熱気が疲れる。早くここから抜け出したくて仕方なかった。

そんな時に限って道を間違えたりする。しっかり地図で確認していれば良いものを、焦って動くから失敗する。貴重な時間を無駄にしてしまった。まぁいい。

地図で確認、今度こそ正規ルートに乗った。

しばらくして【佐田岬】の標識を見つけ心が躍った。あとは岬を目指してまっすぐだ。197号線佐田岬メロディーラインに乗った。しっかりとした道で、山間を走っている。下を見るとすぐそこに海を臨める。車も少なく、天気も良く最高の気分で快走。

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ピース サイン

 
 

長い直線道路の先、アスファルトの陽炎の中から1つのライトが浮かび、こっちへ走ってくるバイクがいる。よく見るとアメリカンだ。荷物も大量に積んでいる。

すれ違いざま互いの右手親指を立て、タッチするような格好でサインを交わし合った。

その直線道路にはこの2台しかいなくて、震えるほどシビれた瞬間だった。何故その時だけいつもと違うサインになったんだろう。またそいつが超満面の笑みだったのが忘れられない。

 

「道の駅 瀬戸町農業公園」で休憩。道の駅はほんとにありがたい。この旅でもたくさん世話になり大好きになった。

 しかし暑い。この3日で顔は真っ黒、汗はダラダラ、トイレで顔を見ると汚すぎて笑える。しかもグラサン日焼けパンダ顔だ。もうどうでもよくなった。汚れもせず、汗もかかず、クーラーの効いた旅などハナからする気など無い。これがいいのだ。ここまで一緒に頑張ってくれた相棒に一声掛け出発する。

 

最果ての地へ

ガソリンが不安になってきたので、念のため満タンにする。おっちゃんと少し会話。

時々すれ違うライダーとピースを交わしながら走っているが、思ったより全然少ない。もっといっぱいバイクが走っていると思っていたので拍子抜けした感じだ。まぁ俺一人でも全然良いんだが。

バイクを止めてエンジンを切ると、すごく静かなのに気付く。耳鳴りがするくらいの静けさ。俺の求めている、この何とも言えない気分の静けさだ。そこでちょっと一服、これだ。時間も無いので先を急ぐ。

 

 ようやく三崎町へ入った。ここまで来ると本当に誰も居なくて、とても淋しい雰囲気が漂っている。細い山あいの中の道を一人で走っていると、昼間でも少し心細くなる。すぐ横に見える海が果てしなく続いて、まるで地の果てへ行くかのようだ。『灯台』という道しるべに従い着実に進む。

そしてついに四国最西端、佐田岬に到着だ。

 

灯台へ 林の中を歩く

何台か車が止まっていた。俺だけかと思っていたらやっぱりいるんだ。バイクから降りて灯台へと向かう。が、その灯台へは林の中を歩いて20分ほどかかる。うーん・・・悩むがここまで来たなら行かなければ損だ。行くことに決定。

結構長い道のりだ。たまにすれ違う人と挨拶を交わし、ひたすら黙々と歩く。

今俺はすごい旅をしていると感じて何か嬉しくなり、こんな淋しいところで独りでいる事に少しセンチな気分にもなった。

しかしとにかく暑い。汗だくになりながらもようやく到着。着いた~!けど誰も居ない。

誰かに写真を撮ってもらいたいが、どうにも人が来る気配は感じられない。階段に座りタバコを吸いながら待つ事約20分、やっと一人来た。待ってましたとばかりにカメラを差し出し撮ってもらう。

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 あまりにも淋しい場所だった。長居する様な場所では無いが、何故だか少し名残惜しい気持ちもあった。それでも行った価値は十分にある。

 帰りの道のりは早く感じた。入り口で女の子二人が写真を撮っていたので、撮ってあげようと声をかけたら断られた。え、ショック…。何も悪い事してないのに…顔がパンダだし汚すぎたから? あ、…きっと超臭かったんだろう。なんせ風呂に入ってないからな!

でも断るなんて失礼だよな~まぁいいとして。

佐田岬ともお別れだ。少し先に九州が臨める。

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 再び来た道を戻る。また「道の駅 瀬戸町農業公園」に寄り、コーヒーを買って休憩。ベンチに腰掛けタバコを一服、15:43。もう太陽も傾き始めて来た。少し焦りが出てくる。気を入れてもっと先へと進む。

1997年8月 四国一周 バイクツーリング記 第7話

なるがです。

 

日記も気づけば7話!結構書いてたんだなーと驚いてます。

ここで初めて銀マット登場。

これで2日分だから、4日分書き上げる頃には13話くらいになると・・おえっ。

少々満腹気味ですが頑張って完成させるぞ~。

 

 

それでは。

第7話いきます。

 

 

一晩だけの思わぬ連れ 続き

今晩はここ「道の駅 宿毛」での野宿なのだが、俺も一人で寝るのは心細かったので嬉しかった。彼もまた大阪から来ているライダーで、愛車はなんと俺と同じ「Honda Steed」!しかも600cc!大型免許持ちか!それだけで神のような存在に感じる。

 

空がきれいなのでテントは張らず、銀マットとシュラフのみ取り出し、芝生の上に敷く。満天の星空を肴にビールを飲みながら静かに語り合う。猫が一匹寄ってきたのでポテチをあげてたら居ついて離れなくなってしまった。

そろそろ寝るか。23:00をまわっている。シュラフへ潜り込み空を見上げると、一面覆い尽くしそうな星の数に感動した。二人で空を見上げながら話しているうちに、いつの間にか眠りについていた。

 

本日の走行距離  約270km

 

9月28日 四国一周ツーリング 3日目

夜中何やら騒がしい。バンで乗り付けた7~8人の男女が海岸の方で叫びまくっている。酔っ払いか?大声で歌い出すし、うるさくて寝られやしない。さらに車がバンバン出入りを繰り返している。夜中は若者のたまり場になるのか~これは失敗したかも。 

いつの間にか彼らもいなくなり、再び静けさを取り戻した。さっきの猫が隣で置き物のように佇んでいる。タバコを1本ふかしていると、物音ひとつしない時間に不思議な気分になった。再び眠りについた。

 

朝陽と共に目が覚める。今日もいい天気に恵まれそうだ。5:30、少しひんやりとした朝の空気がすがすがしい。

夜露でシュラフが湿っており、中も汗をかいて湿っている。屋根が無いとこんな風になるのか。芝生の上だからなおさらだったのかも。

バイクにシュラフをかぶせ、日光に当てて干す。その間に湯を沸かし、2人分のコーヒーを淹れる。そして海辺へコーヒー片手に朝の散歩。普段の朝より何倍も贅沢な時間だ。とても気持ち良い。

大阪から来ている彼は、俺とは逆ルートで周っている。名前は聞かなかった。

彼のsteed600は結構イジり倒していて、明るくなって全貌を見るとだいぶイカツイ。本人もヒゲと坊主頭でかなりイカツイが。

俺のsteedと200㏄しか変わらないのに、ドドンドドンと排気音の重厚さが全然違う。

 

別れと旅立ち

時間は過ぎ、しばらくすると1台バイクが入ってきた。steed600の彼と佐田岬で会ってるらしく、話しかけてきた。ついでにその人に写真を撮ってもらう。

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そろそろ8:00になる、出発するか。

あまり深入った会話は無くとも、ただ一晩だけたまたま居合わせただけなのに、心に残る思い出となった。

何故なんだろう。名前も知らない、たった6時間足らず過ごしただけで、俺の心に深く残るものとなった。これが旅の良さなのか。

 

世話になった「道の駅 宿毛」を2台並んで発進する。互いに別方向なので分岐でいったん停車、互いに顔を見合わせ親指を立て、

「いい旅を!」

そう言い合って別れた。

その言葉ひとつには本当の心がこもった、あらゆる意味を持ち、最高にカッコよく、他には何もいらない、それだけですべてが分かる挨拶だった。

後ろ向きのままバックミラーから消えて居なくなるまで手を振り続けた。

 

もう何とも言えない気持ちになる。これまでは別れは淋しいように感じたが、この時ほど気持ちを新たにさせてくれたのは初めてだ。相手を思いやり、心から無事を祈り、見送る。別れが淋しいのは自分の事しか考えてないからだ。

相手の事を心から思いやったとき、別れは二人にとって新しい出発になる。淋しいとは思わなかった。今日も一日頑張って走るぞという思いが、体全体にいきわたる。朝の清々しい空気が一層気持ちを引き締める。『いい旅を!』最高の言葉だ。

 

四国最西端 佐田岬へ向けて

宿毛市を抜け、宇和島市へ入る。56号線から378号線に乗り損ねて15kmほど引き返した。明浜町から三瓶町へ、道が狭く民家の間をくぐり抜けていく道だ。ゆっくり進む。たまに大きく宇和海が現れる。そしてカーブの連続だ。

しかし車の通行量が少なく、天気もいいし景色もいい。何も文句は無い。ミカン畑が暖かい国なんだと心を柔らかくしてくれる。

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ほのぼのとした空気が流れている。ここには都会のような雑音や心の疲れなんか無い。この空気を吸い込んでなるがままに(これはオリジナルの書き込み)流されていたい。余計な事は何も考えず、すべてを委ねてみたくなる。

時計を見るとちょうどお昼だ。少し休憩しよう。休憩と言ってもただぼーっとタバコをふかすだけなんだが。店らしき建物もないし、あるのは大きな海と太陽と、昨日の残りのポテチのみだ。

とりあえずバイクから降りて堤防の上にドッカと腰を降ろした。目の前には青々とした海が広がっている。ザザ~ッという波の音と、たまに通る車の音以外は聞こえない。ぼーっとするには最適だ。

 

四国一周の旅ももう半分を越えてしまった。たった2日前の出来事が、ずいぶん前の事のように思える。それだけいろんな体験をしてきたんだ。中身の濃い一日を送ってきたんだなぁと感慨深いものがある。

1997年8月 四国一周 バイクツーリング記 第6話

なるがです。

 

書いていてふと思う。完全に自己満足なこの日記を、人が読んでも面白くないだろな~と。冷静に考えたら何の足しにもならないし。

日記とは本来自分が満足すればいいものだけど、公開なぞするということは、読んでもらいたい、何か共感してもらいたいという思いが少なからずある訳で…。

当時ツーリングから帰ってからは、友人や家族、職場の人達にこの旅の事を言いまくってました。

ということはやっぱり、誰かに言いたいんだと結論。

こうして公開することが自分の心の中の願望だったんだと見えてきました。

しかし今思えば、聞かされていた側はフンフンと上の空の事が多かったような気がする…。

興味のない話など所詮そんなもんだ。僕ひとり鼻息混じりで話してたんだと思います。

 

それでも書きますがね!

 

 

それでは。

第6話を書いていきます~。

 

 

四国最南端 足摺岬に到着

足摺スカイラインから太平洋が見渡せる。遠くにフェリーが一隻ポツンと、その白い船体が夕焼けに映えて、青い海と美しいコントラストを醸し出している。しばしその美しさに見惚れてしまった。ゆっくりと静かな時間が流れている。

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 (遠くにフェリーが見えるのですが…)

 

 

 そしてついに四国最南端、足摺岬に到着だ。現在17:50。

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観光地のためかこんな時間でも結構人が多い。注意しながらバイクをゆっくりと走らせていると、子供たちに手を振られる。コワモテのサングラスだったが、満面の笑みで大きくバイバイとしてあげるとすごく喜んでいた。

さっそく展望台へと向かい記念撮影。そこへ二人のライダーが声をかけてきた。

 

 

 国産アメリカン乗りの3人

彼らも同じアメリカンに乗っていて、俺のTシャツのロゴが「Harley-Davidson」なので声をかけたそうだ。

ホントは国産アメリカンに乗ってるんだけど…。

ハーレー乗りには「何着てんねん!」とブーイングだろうが、素人目には国産バイクとハーレーの違いなど分かるはずがないのだよフハハ。

 彼らには、実は国産のスティード400に乗っていると告げ、『憧れ』だからと、もっともらしい言い訳でごまかす。

しかし話してみると彼らも国産アメリカンだった。急に仲間意識が芽生え盛り上がった。

高松と神戸から来ているライダーで、「YAMAHA DragStar400」と「Kawasaki VulcanClassic400」に乗っていた。彼らと並んで写真を撮り、その後下に降りて彼らのバイクに跨らせてもらった。うお~、かっくいい・・。

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 彼らは足摺ユースホステルに泊まるそうだ。二人に誘われるが、やはりもう少し先に進みたい。18:20、つかの間の出会いに感謝し、彼らに見送られながら足摺岬を後にした。

バイクでの旅は人との出会いが本当に多い。それだけにまだ走れる、頑張れると思う。

 

太陽がもう水平線近くまで下りている。バイクを止め、あまりの美しさに写真に収めた。

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辺りは波の音以外何も聞こえない。静かだ。

煙草を1本、深く吸い込んで吐き出す。心が落ち着き、すごくリラックスしていく感じがする。自然の雄大さに引き込まれ、ただぼーっと夕日を眺めていた。

 

 道の駅 すくも

また走り出す。そして気になるのが今日のねぐらだ。とりあえず街に出て食料を仕入れねば。321号線をひた走る。

 

19:30真っ暗な道を走っている。街はまだない。

途中「道の駅 大月」に寄った。テントは張れそうだがバイクと離れなければならない。却下。

もう少し進むと「道の駅 宿毛」が。きれいな芝生、公園、目の前は海、人も少ない。おぉ~!最高のロケーション!ばっちりだ!一発で今日のねぐらに決めた。

とりあえず近くの街まで行き、コンビニでビール2本、おにぎり、カップ麺を買い再び戻る。

良さげな芝生の場所があったのでそこに陣取り、早速ストーブに火を付けて湯を沸かす。水はそこにあるお店から分けてもらった。

ようやく今夜の夕食にありついた。カップヌードルが最高にうまい。麺を食べたあとおにぎりを少し食べて残りを投入。うまい。

今日も一日が終わる。いいねぐらも見つけたし、ここはかなり良いな。何をするでも無いが、ビールを飲んでだらだらする。 最高。

 

 一晩だけの思わぬ連れ 

しばらくするとズドドドと排気音がして、一台のアメリカンバイクが入ってきた。場内をグルグルと回ったあと、バイクから降りてしばらく歩き回っている。そして俺の存在に気付いたのかこちらに向かってやってくる。そして、

「スンマセン、隣で寝さしてもらって良いですか?」と。

快く「いいですよ」と答える。

彼もまたツーリングの最中で、今日のねぐらを探してたようだ。

1997年8月 四国一周 バイクツーリング記 第5話

なるがです。

 

20年前の四国一周ツーリング日記を書き起こしています。。全行程4日間で周るという、きついスケジュールでしたが、本当に行って良かったと思える旅でした。

バイク乗りならば一度はソロツーリングをやってみるべきです。おすすめです。

人生においてこれが役に立っているかというと、特に何もないのですが。

何かを成し遂げたというささやかな自信みたいなものは得られたと思っています。

それでは。5話です~。

 

 

 

9月27日 2日目 桂浜へ

目が覚めると8:30だった。

しかし良く寝たな~そういや隣にいた彼はどこいった?もう行ってしまったのか?

すると彼が戻ってきた。朝風呂に入ってたそうだ。

まもなくして彼は「先に行きます」と、一足先に旅立っていった。名前を聞けなかったのが少し心残りか。

行き先が同じ方面なので縁があればまた会うだろう。俺はもう少しここでくつろぐ事にした。

9:30頃から朝風呂に入り、今日の事を思う。また一日が始まる。

悪い癖なのか、俺には焦るという事を知らない。マイペースすぎる?

サウナをチェックアウトしたのが10:30だ。あり得ないわー。

 

身支度を整えようやく出発。外は雲ひとつない快晴だ。すでに太陽がギラギラと照りつけている。車の量もかなり多い。少し遅い出発が出だしを後悔させる。もう少し早く出れば良かった。

 

桂浜へは寄らないつもりだった。以前行く機会があって一足早く寄っているからだ。だけどその時は天気が悪く、今日のような快晴ではなかった。時間的な余裕は無いがもう一度行くことに決めた。

 

浦戸大橋を渡り、再び桂浜へとやって来た。

ツーリングのバイクがたくさん止まっている。さすが人気スポット。バイクを降り浜へと向かう。おぉ~写真でよく見るおなじみの景色だ。美しい。

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独りで歩いているとやっぱり淋しく感じるけど、何にもとらわれないでいられる。限りなく自由だ。

この景色をバックに写真を撮ってもらおうと辺りを見回す。そこに一人の兄ちゃんが歩いてきた。彼も見るからに「ツーリングしてます」感を出していたので気軽に声をかけた。

快くOKしてくれ、その後はお決まりの「どこからですか?」で会話は弾んでいく。

彼は横浜から来ているI.Sさん31歳。16日間の休みをもらいツーリングしているそう。なんと俺の4倍もの休み!うらやましすぎる。でも本人はそうでもないらしく、彼女にフラれ失恋旅行なんだと言っていた。

 

記念に2人並んで写真を撮った。お互い住所を教え合い、後で送ってもらう事になった。すごく楽しみだ。

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(これが送ってもらった写真。手紙も添えられており、近況報告等も書いてありました。今でも宝物として大事に取ってあります。)

 

 いろいろ話して、時計を見ると12:30だ。ちょっと長居しすぎだ。

握手を交わし、お互いいい旅を、と言い合って別れた。もう二度と会うことはないだろうその人を、何回も何回も振り返った。

 

バイクの荷物をしっかり固定し直して、さぁ行くか!とその時、「室戸岬の展望台で会いましたよね」と声を掛けてくる3人組がいた。彼らをよく見ると、思い出した。Y君とMさんと並んで写真を撮ってもらった時の彼らだ。

少しの間彼らと話す。昨日の晩は河原の橋の下にテントを張り、あの雨をやり過ごしたそうだ。彼らはこれから足摺岬へ向かう。「また会いましょう」と言い残し、一足先に出発していった。

さて、俺も出発するか。

 

太平洋を左手に真っ直ぐな道が続いている。青い海、ヤシの木、照り付ける太陽と空、まさに南国だ。

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気付くと前にはアメ車のピックアップトラックが走っており、乗っている6人くらいのニーチャンが俺を見ている。そして後ろにはいつの間にか仲間と思われるバイク2台にビタっとつけられてる!

なにこの展開、やばい?と思ったらその瞬間、みんな手を振ってくれた。

はぁーびびったわ~。俺も手を振って応える。

 

アイスクリン屋がたくさん並んでいる。ほのぼのとしたゆっくりした時間が流れているようだ。

仁淀川河口大橋を渡り、宇佐大橋黒潮ラインを快走。海水浴を楽しむ人たちがたくさんいる。俺も泳ぎたくなるが、それよりも水着ギャルの多さにくぎ付け。これは目の保養だわ〜。わき見運転が増えて仕方ない。

 左側に大きく太平洋を眺めながら気分よく走る。56号線を快走、須崎~窪川町を抜け「ユートピア四万十」で昼休憩。

うどんを食べていると雨が降ってきた。急いでバイクを移動させに行くと、止んだ。戻ってまたうどんを食べ出すとまた降ってきた。ドリフのコントかっつの、と思いながら小雨なぞ雑魚だと完全無視する。30分ほど休憩して出発。

 

 足摺岬

太陽も傾き始めると今夜の宿を考えるようになる。とにかく暖はとりたいので、ホームセンターに寄り、ガスバーナーとボンベを購入。ロングツーリングには必需品だ。少しずつ要るもの、要らないものが分かってきた。

駐車場で「YAMAHA XJR1300」のライダーと少し会話する。

 

しばらくして「足摺サニーロード」なる標識が見えた。第2ポイントの足摺岬まであと少しに近付いた。

1997年8月 四国一周 バイクツーリング記 第4話

なるがです。

 

ツーリング日記も4回目。こうして文字に起こす作業をしていると、まさに現実逃避というか、過去にタイムスリップしてるようにも感じます。仕事のことも忘れ、そして行きたくねーなーとなってしまいます。

 

それでは。

 

 

ドラッグストアでの雨宿り ゲリラ豪雨その後

店の中はついに俺一人になってしまった。陽も完全に落ち、気温も下がってきた。寒さで体が冷たい。

ジャンプしたり、駆け足したり、とにかく体を動かして温めた。そうしている俺を哀れに感じたのか、店のお姉ちゃんが声をかけてくれた。少し会話してだいぶ気も紛れた。身も心も寒かった時に、彼女はまるで天使のようだった。

 

もう20:00になろうとしている。すでに2時間近く経過。雨はまだ降っているが小雨だ。意を決して出発する。お姉ちゃんにさよならして店を出る。

 

今日の宿を探す

体が冷え切ったまま走り出したのでとても寒い。

もちろんカッパも着込んでいるのだが、芯から冷えてるのが取れない。走れば走るほど寒気が増してくる。歯がガチガチと意思とは関係なく激しく音を立てている。

 

そうしているうちに高知市内へと入ってきた。今日はどこで寝ようか・・。まだ決めていない。ふと、カプセルホテルなら市内にあるだろうと市街へ向かい、グルグル回ってみる。

だけどそれらしき看板などは見当たらず、時間だけが過ぎていく。初めての土地、人ごみの雨の中、荷物を積んだバイクで街中をウロウロ。

なんか疲れてきた・・。

お店もいっぱいある、ネオンの街を楽しそうに行き交う人達。

でも何なんだ、この心のざわつきは。何か嫌になりそこを発つ。

 

市街地を抜け出して、どこかにテントを張ってそこで寝よう。そうしようと思った。

バイクを降りて人に聞けばすんなり宿は見つけられたのに、どうかしていた。何のあてもないままバイクを走らせてしまった事に今さら後悔。さて、どうする。

 

走っているとホカ弁を発見。そういや今日ごはん食べてないわ。

のり弁DXごはん大盛りとみそ汁を注文。今日初めての飯だ!急に食欲が湧いてくる。

道路脇にバイクを止め、その後ろで隠れるようにしながら飯をがっついた。熱いみそ汁と温かいご飯が冷え切った体を温めてくれた。本当においしかった。

 

腹が満たされると気分も少し落ち着き、冷静になれた気がした。腹が減っては戦は出来ぬと言うしな。

周りはもう真っ暗で何も見えない。テントを張る気にはなれないので、もう一度市内へ引き返し、大きな公園でも見つけそこで寝る事にしようと思った。

 

まてよ、そういえばここに来る途中、確か24時間サウナらしきものがあったような・・。ハッキリと見てなかったが、とにかくその場所へ行ってみることにした。

しばらくしてそれを発見。24時間サウナだ!オーマイガー!もうここしかないと迷わず決定。21:50になっていた。

 

一晩だけの思わぬ連れ

さっそくチェックインしてバイクを駐車場へと移動させに行く。

するとそこには1台の「カワサキ ZZR400」があった。荷物を積んでるのでツーリング仲間だ。そこへ持ち主が現れ、俺は気軽に声をかけた。

今日の雨の事、どこから来たのかなど、駐車場で話は盛り上がる。同じ大阪から来ていたせいもありすぐに意気投合、思わぬ連れが出来た。

 

ロッカーで湿っている服を脱ぎ、はやる気持ちを抑えながら風呂へと向かう。

そして熱い湯船にゆっくりと浸かる。じわじわくるこの何とも言えないぬくもりと安堵感に、ただただ幸せを感じるのみだった。

 

同じ大阪から来ている彼はどうも一人を好むようで、少し素っ気ない。俺がバンバン話しかけてもあまり話は弾まなかった。一人でゆっくりしたい人もいるのに、俺は相手の事も考えず、ひとりテンションあがりまくりだった。

そして俺は一人ではないと思うと気が楽になれた。彼には本当に感謝している。

 

サウナで体の芯から温まりポカポカになった。あの悲惨なずぶ濡れの寒さからこの展開は想像も出来なかった。

生ビールを頼み、リクライニングシートに体をうずめ、今日一日の無事と幸せに感謝して、キンキンに冷えたビールをいただく。もう何とも言えない幸福感。

 

酔いがまわってきた。寝てないのと疲れのせいもあって、もう知らないうちにウトウトと眠りに入っていった。

 

本日の走行距離 約340km